これは質問に答えるときは何から話そう?と考え込んでしまう方のための記事です。
自分の意見を瞬時に決める
「質問に答えるときは回答から話し始める」をするためには瞬時に自分の意見を決める必要があります。
質問には大きく分けて2種類ありますね。
1)クローズドクエスチョンの場合
Yes なのか No なのか
2)オープンエンドクエスチョンの場合
「〇〇です」と相手が探している
そのものズバリを答えます。
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注:
クローズドエンドクエスチョン:答えがYesかNoかに限られる質問
オープンエンドクエスチョン:自由に答えられる質問
6W2Hの疑問詞で始まる質問
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質問に対して回答なり、自分の意見を瞬時に決められるようになるにはつね日ごろから何かあるたびに自分はそれに対してどう?と意識する習慣を付けます。
日常生活の些細なことでもOKです。
たとえばお昼に
わかめラーメンにするか担々麺にするか?
というしょうもないレベルでOK。私の昨日の悩みでした。
結局、醬油ベースのスープを身体が欲しがっていると思ったのでわかめラーメンにしました。
単純なお昼ご飯の話ですがここには
① 結論: わかめラーメンを食べる
② その理由:身体が醤油ベースのスープを欲しがっている
という構造があります。
あるとき法人契約の生徒さんとビジネス会話の練習をしていたら、生徒さんがこんなことを言いました。
「英語で話す練習を始めて一番衝撃だったのは、今まで自分の意見を意識しない
で生きてきたことに気が付いたことです」
「上司や役員の意見を聞いてからそれに合わせて発言していました」
!!!それはびっくりですね!
人生の一大事と言っていいくらいの発見だわ、と私もびっくりしました。
でもなぜ自分の意見を上司や役員の意見に合わせるようになってしまったのか?これはこれだけで日本社会の年功序列とか、集団主義のプレッシャーについて長い記事が書けそうなので別の機会にします。
話を元に戻すと私たちの多くが「仕事上、周囲の意見を聞いてから角が立たないように追随する習慣」を持つ傾向があるということです。
それにいつの間にか慣れてしまうと人前で「どう思いますか?」と聞かれたとき戸惑ってしまって「え?自分が今、ここで答えるの?」と周りの人の反応を探ったり。。。ってありませんか?
日本語でも即答は難しいのに英語で
What do you think?
どう思いますか?
と聞かれて戸惑うのは当然。
即答しなくていい例外もあります。
それは意見を言うためにもっと情報が必要なとき。
根拠が不十分なときはどうしても意見を決めないといけないわけではありません。ただしここで;
I don’t know.
わかりません
というよりは
I have no idea. Let me check about it.
分からないので調べさせてください
と答えるほうが社会人としての責任感が感じられます。
I don’t know. は仕事に対して、なげやり・無責任な印象が避けられません。
子供っぽい印象を周りに与えかねません。
質問に対する回答から話す
自分の意見を瞬時に決めたら、今度は「回答から」話します。普段話すときも「結論から話す」方が伝わりやすいのと同じ構造です。
でも多くの日本人は結論を伝える前に「どうしてそうなのか?」という説明から話始めます。
そうすると、質問をした相手が根っからの英語的な思考回路だった場合「結局、答はなんなの?」とイライラし始めることが多いのです。
こちらが話している途中なのに「言いたいのはこういうこと?」と相手に言われてしまうのは、相手が聞きたい答よりも先に説明から話してしまうことが原因のことが多いです。
英語がもごもご、声が小さいこともありますが。
私の個人的な意見ですが説明から話す習慣の原因の多くは相手に対して「失礼」であることをと嫌うからかな?と推測しています。
私のブログで直近2年以上、アクセス数がダントツトップなのは(全体の6割)「失礼を避けて外国人上司にお願いをする」です。
だから「相手にとってがわかりやすいように、親切に理由や背景情報から伝える」のかもしれませんね。
確かに日本語で話すときはずばり結論から話し始めると唐突な感じやキツイ感じがします。でも英語の場合、結論ファースト。「回答」も結論なのでファースト。
ただし相手にとってネガティブな情報であれば、文頭にクッション言葉を付けて心の準備をしてもらい、ショックを和らげます。これは思いやり。
例えば
I regret to say…
残念ながら。。。
以前、CNNのインタビューでビル・ゲイツが話した内容の記事を読んでいたら「結論から話す」のお手本になりそうなやり取りが出てきました。
インタビュアー: Do you like Steve Jobs?
スティーブ・ジョブズ氏は好きですか?
Gates: Absolutely. Steve’s brilliant, done very good work.
もちろんです。スティーブは聡明で、よい仕事をしました。
ゲイツは質問に対して Absolutely という最上級の Yes で即答。
もしもビル・ゲイツの答えが
Steve’s brilliant, done very good work. I like him.
と、好きな理由から始まっていたらインタビュアーは
「だから結論は?」
と早く答えを聞きたがったと思います。
結論を言ってからの” but…” は避ける
結論から言うことに慣れてきたら、ちょっとだけ気をつけたいことがあります。
それは「結論はYes, だけれど説明が必要」というときに「Yes のあとに but で話をつなぐ」をやめることです。
この 「Yes, but 」という説明の仕方は
「Yes なの? No なの?」と、相手を混乱させてしまいがちだからです。
Yes, の後に説明を即つけ足したいときは but の代わりに
and
でつないてみてください。話の流れがすんなりいきます。
but は前の意見を覆す逆接の接続詞です。日本語でも「明日の同行の件ですが。。。」となんにでも「~が。。。」を付ける方が少なくありません。
私もかつてそうでした。「~が」という接続詞が入ると今まで話を聞いて頭の中に出来かけていた絵が突然ひっくり返ります。
意味的には途中で逆接にならない文章に、つい「~が」を使う口癖があったら日本語でも英語でも話すときは「~が」を取り除いたほうが、聞き手が分かり易くなります。
最後にオマケ:口癖の直し方
「あ~」とか
「ええ~っと」とか
「~ですが」の「が」などの口ぐせは
「言いそうになったら口をつぐむ」だけで、数日で止められます。
こちらが一瞬黙っても心配するほど聞き手は気にしていません。社内講師をしていた30代後半に上司から教わりました。
とても効き目があります。