海外からのゲストと食事に行くときに必須の文化・宗教的きくばり

昔のことですが、初めての英語の職場でイギリス人から

What do you enjoy in your spare time?
時間があるときは何をするの?

と、趣味を聞かれました。
注: What is your hobby? という聞き方はあまりしないようです。

馬にお金を掛けるのは身近なこと

更に Do you enjoy betting on horses?
馬にお金を掛けるのは好き?
と追加質問。

え?え?え?え~~~~っ?
それって競馬のことでしょう???

もちろんしないわよギャンブルでしょ。
と、答えました。

今でこそJRAさんのご尽力もあって、会社帰りに大井競馬場でおしゃれにトゥインクルレースを楽しむというイメージが広がりましたが、当時80年代後半は

競馬とは競馬新聞と大関ワンカップを手にしてちょびた赤鉛筆を耳にはさんだ男性がやるものだと思っていました。私が若くて人生経験が少なかったこともあります。

ところが職場のイギリス人たちにとっては、競馬 (Betting on horses)のイメージは、それとは全く違うもののようなのです。

この競馬の社会的地位については後でもっと詳しく知ることになります。

普段のレースは週末に楽しみとしてでかけるものの一つ。

競馬Betting on horses はギャンブルではない

そして「馬にお金を掛ける」と言うイベントは娯楽ではなく文化という位置づけ。

イギリスの風物詩の写真集を見ると、女性がドレスとデコレーションのついた帽子を身に付けて男性にエスコートされながら馬のレースを見ている写真があります。

日本でも、その名を知られている ダービーは女王陛下がお出ましになることもある格式高いレースで、観客席にもドレスコードがあります。男性はジャケットにタイを着用。

女性もひらひらしたドレスは禁止。帽子をかぶることが望ましい。などなど。

また、確かに出走馬にお金は掛けますが、当たっても賞金額が日本の大当たり「万馬券」のようなことにならないそうです。勝ち負けより季節行事のような位置づけです。ちょうどウィンブルドンテニスが始まると、夏休みシーズンの到来を感じるように。

アメリカ、カナダ、イギリス出身の方に

What do you do on weekends?
「週末に何をしますか?]

と趣味について尋ねると Horse riding (馬に乗ります)と言う答えは必ずしも珍しくありません。

どうやら、日本でよりも馬は人間にとって身近な存在のようですね。

居酒屋で馬刺しを頼んだら

イギリス人ばかりの職場にいたころ、仕事後に街にワイワイ繰り出し、いわゆる日本の居酒屋で馬刺しを頼んだことがあります。

今だったら絶対やらないのですが、そのころ異文化理解という自分たちを一段高いところから客観視するなんていうゆとりがありませんでした。

美味しいものを出してもらって、みんなに喜んでもらいたい一心です。

ニンニク、生姜をすりおろした薬味に付けた生肉をほおばりながら

「これ何?」って聞いてきた、ルース。

「馬の刺身」と、そのままを答えたら、その場が悲鳴に包まれたことがあります。

ごめんなさい、配慮が足りなくて。

 

馬肉やお寿司以外の制約

最近でこそ、生の寿司ネタを食べる外国人も増えてきました。でも初来日だったりすると生ものの入っていないお寿司しか食べたことがない人、それが寿司だと思っている人もいます。

そうなると、本当に魚の生の切り身を食べられるかどうか、は最低限確認したほうがいいです。

私のイギリス人の友人は、お寿司大好き と言いながら、彼女にとってのお寿司は茹でたエビやアボカド、卵焼きが入った太巻きだったりしますから。

そして最近増えてきたのが ハラル食品でないと食べられない イスラム教徒の方々。

まだ耳慣れない方もいらっしゃると思いますが、ハラルとは

イスラムの教えで「許されている」という意味のアラビア語がハラール(ハラル)【アラビア語: حلال Halāl 】です。
(一般社団法人 ハラル・ジャパン協会ホームページより)

イスラム教徒のかたが豚肉を食べないことは知られていますが、豚以外の肉についてもイスラムの教えに則った方法でと畜・加工処理されなかった肉を食べることは禁じられています。

先ほどの馬を食べることに対する抵抗感は 馬を身近に感じる文化から来ていますが、ハラル認証のように宗教的な背景で、一緒に外食をするときは気配りが必要なものがあります。

さらに個人レベルでアレルギーやヴィーガン(通常のベジタリアンより更に制限がある)のことも、もしあなたがホスト役になったら木を配りたいものです。

投稿者プロフィール

河野 木綿子
河野 木綿子
河野木綿子(こうのゆうこ)
仕事の英語パーソナルトレーナー。管理職の英語のお悩みを出張個人レッスンで解決します。
トレーナーはいわゆる純ジャパ育ち。新卒で(株)西友に就職したものの、外資に転職しました。その後大手外資系企業で25年間、仕事の英語を駆使してグループ会社全体のシニアマネージャーへと上り詰めました。英語だけでなく仕事を回すための異文化コミュニケーションのコツもお伝えしています。
主な勤務先;
モルガンスタンレー、バクスター、ファイザー、シーメンス

主な著書;
『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』すばる舎
『読むだけでTOEIC®テストのスコアが200点上がる本』あさ出版

メディア取材・掲載:プレジデントオンライン掲載記事 外国人上司の苦悩

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