この記事は英語や自分の得意分野を人に教えたい方、講師初心者向けのヒントです。
仕事の英語パーソナルトレーナーの河野木綿子です。
目次
ふとした匂いで思い出した昔、教えた体験
このあいだ都営地下鉄神保町駅のホームを9A出口に向かって歩いていた時のこと。
懐かしい匂いを感じました。
例えるなら湿気と煙草の匂いが混ざった、昔のスケートリンクのような匂いです。
今では禁煙が広がっていてそういうこともはないでしょうが
私が子供のころはスケートリンクは喫煙可能で煙草の吸殻が氷の上に落ちて張り付いて
いてエッジを引っかけて転ぶなんてことがありました。
続いて思い出したのは自分が中学生から大学を卒業するまで長いあいだ
親子スケート教室で先生をしていたこと。
そのころ当たり前のように感じていたのがスケート場の匂いです。
匂いって五感の中で一番記憶と結びつきやすいそうですね。
中学生の時は先生のアシスタント。それ以降は独立して先生。
受持ちは毎年小学校3年生で多分50人近くの初心者を「滑る・止まる」を出来るようにする。
その生徒の中に、のちに弟の奥さんになる女の子がいたことは後になってわかったこと。
What a small world!
教えるコツにはパターンがあった
出来るようになった時のイメージを持たせる
小学3年生といえば、日本語はだいぶわかるけれど
理解力にはまだまだ個人差が大きいです。
私が先生のアシスタントだったころ、メインの先生は
「ペンギンさん、知ってる人~!」と手を上げさせました。
さすがにこれは毎年全員が「は~い!」と手を上げます。
スケートを滑れるようになるための第一歩は、ペンギン歩きができるようになることです。
ペンギンさんのような歩き方ってどんなものかというと
① 左右の足のかかとを付けた体制から右足を半歩踏み出し、右足のかかとを
左足の土踏まずに付ける。
② 今度は左足を半歩踏み出し、そのかかとを右足の土踏まずに付ける。
この説明をするときは子供たちに背を向けて立ち、左右の手を頭の上に掲げて
左右の足に例えて説明します。
③次にみんなのほうに向き直って、実際に脚でペンギンさんの歩き をやって見せます。
実際にやらせる
説明を聞いて、お手本を見た生徒たちが「あー、こんなふうにやるんだ」と
「出来たときの状態」をイメージできたところで
先生自身は生徒たちのほうを向いたまま前に進まず
同じ場所で「左~、右~」とゆっくり体重移動をするところを見せます。
生徒たちはきゃあきゃあ言いながらもこちらに向かって少しずつ進んできます。
3メートルもやるうちに、コツがわかる子もいれば滑って転んで起きられなくなる子もいますよ。
そんなとき起きられない子を助けて立ち上がらせる役割の大人も会場にちゃんといます
ので安心。
やって出来たら褒める(フィードバック)
ペンギン歩きの練習は週に一度のクラスで2週間くらい続きます。
そして何メートルか歩いたら声をかけてフィードバックします。
「は~い、そこまで。先生、見てたけど、みんなちゃんとかかとを戻すの出来てたね」
次は滑る練習、できそうだね!」と
その場で具体的に褒める
ことが肝心です。
なぜならその日の終わりになって同じことを言っても、
言われたほうは何のことを言われているのかピンと来ないのです。
そのばで褒められて「わ~い、やった~!」と達成感も味わってもらうことで
次の段階へのやる気がでて、滑れるようになるまで続けられます。
筋トレトレーナーの指導法もそうだった
時は流れ、私は50代に入ってからジムに通うことにしました。
1年中忙しい生活から解放されて週に2回くらい時間がとれそうになったのと
いままで仕事漬けだったので、これからは自分のことにも時間をかけようと思いました。
週に2回のうち、1回は筋トレの専門家についてもらおう。と
加圧トレーニングができる方を頼みました。
ジムから紹介してもらったトレーナーさん、教え方、褒め方が上手なんですよ。
元、全日本女子バスケの選手でした。
脚でのプッシュアップの負荷もどんどん上がり
ベンチで仰向けになってあげるウェイトの重さも順調に増え
楽しくて仕方がなくて、どんなに仕事が忙しいときでも必ず週2回を死守しました。
で、あるとき気が付いたのが
この人の指導方法も、あのパターンだ!ということ。
解説 → お手本 → 本人にやらせる → できたら褒める(フィードバック)
もちろん、あ、惜しい!ここをこうするともっと筋肉に効くのに
という場合もあります。
その時ももう一度やって見せて私の思っているイメージに手を入れる。
だからこそ、やる気も失わず、続くから成果がでる。もっとできるようになりたいと思う。
おかげさまでダイエットなしなのに5年後には体脂肪率 20%前後まで
私の身体は締まりました(今は戻ったけど 涙)
トレーナーさんには感謝しかないです。
まとめ
解説 → お手本 → 本人にやらせる → できたら褒める(フィードバック)
ということを改めて振返って改めて気づいたこと。
この手順は後で気が付いたのです。聞いたことあるような?って。
そう!あの連合艦隊の司令長官 山本五十六の名言、
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
でした。「やってみせ」と「言って聞かせて(解説)」が入れ替わるだけで
要点が同じ。
私自身は 学生時代のスケート教室指導員として先輩から見様見真似で身に付け
社会人になってからは社内講師をするなかで、上司のからたくさんの
アドバイスをいただきました。
振返ってみるとたくさんの学びの機会に恵まれていたと改めて感謝しています。