英語が変われば仕事も変わる  製薬業界が得意です (月曜休)

英語で起業した私に起きた人生の変化

この記事は会社員の方でこれからもしかすると独立開業するかもしれない、と検討されている方に私個人の体験をつづったものです。

52歳で会社員を辞めた

私は約30年の会社勤めのあとで半年の準備期間を経て「英語のパーソナルトレーナー」として開業しました。

会社員の30年間には、人事の専門性を高めたくてロンドン大学大学院に留学したのが1年。帰国後、就職活動をしたが7ヶ月も含みます。

なぜ52歳という一見中途半な時期に辞めたのかというと、3つ理由がありました。

一つ目は52歳で辞めて53歳で開業すると、もし失敗してもまだ会社員に戻れそうだという期待。

二つ目は普通に60歳まで会社員として働いた場合、その時点でゼロから新しいことを始めるのは体力的にも精神的にも自信がなかったという理由もあります。

そして三つめは、漠然としたテーマがあったということ。
それは若いビジネスパーソンが育つお手伝いをしたいと思っていたこと。

ただしこの時点ではそれが英語とは限定しておらず、広く人材開発ということを考えていました。

独立開業しようと40代後半から漠然と考えていた

実は50代前半で何かで独立開業したいという思いは40代後半にすでに芽生えていました。

というのもその当時、私は大手多国籍企業で国内外の業務を兼任していました。多国籍企業の日本組織の人材開発責任者として、そして採用責任者として海外との連携、新しいプログラムの導入、M&Aと多忙を極める日々。

いっぽうで(今では公開している情報ですが)30歳前から特定疾患、いわゆる難病を複数抱えていましたので、40代後半時点ではこのまま50代に突入して激務がつづけば身体が持たないという悪い意味での確信があったのです。

となると方針はシンプルです。

「好きで得意なことで若い人たちのお役に立ってからこの世を去りたい」

ただし先ほどもお伝えした通り、何を伝えるのか、何をサポートするのか具体的なことは決まっていませんでした。

ただ、好きで得意なことといえば恐らく英語が絡むかな?とは思っていながら、どうやって教えるのか?は何年もの間空白のままでした。

ある日突然「英語のパーソナルトレーナー」というアイデアが降って来た

50歳で一度引退しようとしたときに以前の知り合いから声を掛けられてある会社の英語での職場のメンタルヘルス改善のコンサルタント業務をすることになりました。

国内業務だけだったのでそれ以前より時間があります。週に2回ジムに通うことにしました。その2回のうち、1回はパーソナルトレーナーさんに付くことにしたのです。

彼女とのトレーニングをするうちに、教え方の基本パターンからある日ヒントを受け取ったのです。

① 説明する 
② 実際にやって見せる
③ 生徒にやらせる 
④ フィードバックをする
まずいところは指摘して出来るようにする。できたら一緒に盛大に喜ぶ

あっ!これは英語でも使える!と筋トレ中にマシンを使っていて閃いたのです。

以前から私は「英語をつかえるようになるには机に向かっての勉強ではなくて、実際に使うことだ」と自分で経験していましたのでこの4ステップは腹に落ちました。

そのトレーニング中に思わず「これだ!」と声に出したほどです。

こうして2013年の11月に「来年春、英語パーソナルトレーナーという屋号で開業しよう」と期限を決めました。

私が開業した2014年の翌年以降、大手が参入してきてたくさんの英語パーソナルトレーナーが世の中に溢れましたが

商標登録をしていなかったので英語パーソナルトレーナーと英語を学べるチャンスを世の中に広めるという貢献をしたかもしれません(苦笑)

開業して自分の周りの顔ぶれが変わった

2014年の開業当時、「仕事の英語パーソナルトレーナー」と名乗ると「いったい何をしている人ですか?」と必ず聞かれました。

「英語は勉強ではなくてトレーニングという発想で実際にやってできるようにする仕事です」と説明していました。

今では「〇〇のパーソナルトレーナー」を名乗る方は世の中にあふれていますのでたった8年弱で隔世の感があります。

さて、当時そんな珍しい肩書で開業して何が起きたかというと「そういう勉強方法を待っていました!」という方に何人か巡り合いました。

生徒さんの第一号は知り合いの知り合い。自分には全く縁のなかったエステの経営者の方でした。

それまでは組織に属して会社の方針に従って業務に励む比較的高学歴、高収入、会社一筋の人ばかりの中に居ましたから、自分で会社を経営している人、得意分野で勝負している人たちは眩しく見えました。

他にもそれまでご縁のなかった富裕層の方や、自分の知らない業界の経営者の方、国民的人気テレビドラマシリーズの作曲家の方、映像プロデューサーなど、多職種の人と英語習得を通じて喜怒哀楽を共にすることになりました。

また開業2年目にお世話になった著者スクールでも大企業を退職して大学の先生になった方、超ベテランの英語講師の方、整体院のチェーンを経営する方、農業の発展から日本社会を変えようと壮大なプロジェクトに取組む方、世界を股にかけて活躍する寿司職人の大御所など。

いまではSNSを通じて一度知り合った人たちとずっとつながっていられますので投稿をみるだけで「あの人も頑張っている」とエネルギーをいただくことが多いです。

7年半を経て見える景色が変わっていた

正式に開業してから7年半。教え始めてからは8年経ちました。

初めのころは貯金を取り崩しながらの出発でしたが「1年半経って見通しが立ったなかったらすっぱりやめて会社員に戻る」と決めていたことで不安はあまり感じませんでした。

大変なことは期限を切って取組めば思いつめることなく日々のやるべきことに専念できます。その姿勢は今でも変わりません。

開業前にインディペンデントコントラクター協会に加入して様々な勉強の機会をいただきました。そして今では理事の一人として今年の研究会活動のうち「コンテンツ&デリバリー研究会」の主催を務めています。いつの間にか学びの場を企画する側に回りました。

またFacebookではこの8月から英語講師のための無料教え方オンライン勉強会を始めました。

これは先進国の中で英語で仕事ができる人の数が先進国の中で圧倒的に少ない日本の現状を少しでもよくする人を増やしたいと思っているからです。
目指すのは「一般人から大臣まで当たり前に英語で話せる国」です。

開業して8年近く経って振返って思うのはあのまま会社員をしていたら決して知り合うことのなかった方々と知り合い、自分の人生も変わり、自分が世の中に何で役に立てるかも広がったということ。

等身大の自分のままで目の前のことをひとつひとつやっていると次が見えてきて、それを選ぶかどうかの自由があるということです。

安定はないかもしれませんが、少なくとも私は今の生活が気に入っています。


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