外資への転職:面接に合格するための事前準備 その2

そもそも面接とはなんのためにするのでしょうか?英語圏では採用のためにする面接はアセスメントの1種に分類されます。

「アセスメント」とは、

まだ未知の能力を予知するための活動のこと。したがって採用のためのアセスメントには、面接の他に能力テスト、適性検査なども含まれます。

この分野は私の職務領域でもあり、また専門分野でもあります。1999年にロンドン大学大学院に留学したのは、それを体系立てて学ぶためでした。アセスメントの中には研修後の効果測定も含みます。

修士課程に応募したときの面接は電話面接で コースコーディネーターの Phillip と約15分話したのを覚えています。

面接を終わるときに彼から「日本人なのによく話すね。君はほんとに日本人?」と冗談めかして聞かれたので、

「なぜそんなこと聞くの?」と聞いたら
「僕の知っている日本人はあまり話さない人ばかりだから」

と言っていました。

その1のトピック(リンク)
緊張をほぐすための質問
今までの経歴のサマリー
専門分野
応募の動機
応募するポジションを理解しているかの確認

今日はここから:

現職を離れる理由についての質問

これは日系企業でも、外資系企業でも聞かれます。

実際にはたとえ上司との人間関係などガティブな理由であっても、前向きな姿勢を示します。

たとえば現職がルーティン的であれば、もっとチャレンジングなポジションで働き、学びたいと伝えたほうがよいでしょう。

Why are you going to leave your current job?
どうして今の仕事を離れるのですか?

My duties are rather routines, but I would like to serve in the more challenging position, and I learn more.
私の仕事はやや決まりきっていて、自分ではもっとチャレンジのあるポジションについて、学びたいのです。

 

 

今までの最も大きな業績について

転職活動というと、とかく資格取得を目指す方が多いようですが、採用側は資格に注目することはあまりありません。むしろ資格がなくても、今までの仕事の実績を遠慮なく伝えます。

ただしその際に実際の顧客を特定できるような情報を出さないように気を付けてください。
「口が軽い」「守秘義務違反」というレッテルを貼られ、人間性を疑われ合格できません。

それよりビジネスパーソンとして問題ですよね?

What was your greatest achievement?
今まで達成したことの中で一番すごいことは何ですか?

数字や表彰など具体的なものを上げられるように整理して準備しておきます。

I worked as a member of the project team to improve
our customer satisfaction.

顧客満足度を改善するプロジェクトチームのメンバーの一人として仕事をしました。

During the project, I supported the project leader by documentation control,
プロジェクトの間、文書管理でプロジェクトリーダーをサポートしました。

and we were awarded the president prize in 2013.
そして2013年の社長賞をいただきました。

 

一番困難だった経験、それにどう対処したか

ここでされる質問には2種類あります。提出した職務経歴書などに書いてあることの事実確認と、もうひとつ。

問題解決に際してその人がどれくらいリーダーシップを発揮したのか回答の具体性から測る質問です。

 

例えば書類に自分の業績として上げていることが、実はリーダーについて行っただけということは見抜かれます。

「深層背景面接」と言って、独特な質問の仕方をします。

1)What was the hardest challenge at your work or project so far?
今までの仕事やプロジェクトの中で一番難しかったことは何ですか?

2)Who did you talk to when you first realized the problem,
初めてその問題に気づいたときだれに声を掛けましたか?

and what did you say to the person?
その人になんと言って声を掛けたのですか?

2)は実際にやった人であれば、迷うことなくありのままを話すことができますが、実際にやっていない人の場合は考え込んだのちに一般的な回答しかできません。

面接官は具体的な行動や発言を掘り起こすための面接スキルのトレーニングを受けていることが多く、この段階で嘘や誇張は見破られます。

 

職務遂行能力についての質問

What are your strong points?
あなたの強みは何ですか?

What do other people say about your leadership style?
あなたの周りの人はあなたのリーダーシップスタイルについて何と言っていますか?

I’m good at negotiation with the board members.
役員会での交渉が得意です。

By involving the members, I accomplished a big project.
メンバーを巻込むことによって大きなプロジェクトを成し遂げました。

これも実績を具体的に示せるような「強み」を整理しておくと説得力があります。

私の強み> その実例  の順番で

手短に分かりやすく表現できればよく、先方が興味をもってさらに質問を重ねてきたら自分の強みをからめて詳細を話しましょう。

 

この仕事にどんなことで貢献できるか

In what aspect do you think you can contribute to this project?
どんな面でこのプロジェクトに貢献できると思いますか?

ここで強みを伝えるための表現を並べてみましょう。

専門性  my expertise are: 私の専門性は。。。
経験年数 experienced the documentation control for three years.
文書管理を3年間経験しました。
経験内容 served as a senior manager シニアマネージャとして仕事をする
実績 performance 数字,  award社内外表彰など

 

個人的なことを聞かれたらどうするか?

個人的は答えたくなければ答えなくて構いません。

What are you interested in outside working?
仕事以外に何に興味がありますか?

What do you do in your spare time?
時間があるときに何をしますか(趣味のことだと思ってよい)

こちらから質問内容と仕事の関係性を尋ねてみましょう。

Would you please explain to me how this issue is relevant to the position?
このポジションのためになぜその質問をされるのかご説明いただけますか
(意訳)
Key word: relevance (妥当性)

待遇について(サラリーの額)

これはよく聞かれる質問です。聞かれたらラッキーと思ってください。
なぜなら応募者側からは切り出さないほうがよい項目だからです。

そのポジションのために採用活動を始めた時にはすでに予算として計上され
社内で承認されています。

How much salary would you like to have?
賃金はいくら欲しいですか?

Please tell us your expectation for the compensation.
報酬額についての期待を教えてください。

1)会社の規定に従う場合

As I’m not sure about your company’s salary system, I will follow it.
御社の給与体系を存じ上げませんので、それに従います。

2)職種の平均賃金が調べてある場合

大手の外資系サーチファームなどでは業界・職種ごとの世界の平均報酬額を毎年まとめていますので、事前に調べておくとよいです。

Since the average salary range for this position varies around 8 million yen,
このポジションの平均報酬額は 800万円前後と伺っていますので

I’m happy to reach that level.
そのレベルをいただけると嬉しいです。

 

こちらからの質問

 

会社のビジネスの方向性、仕事内容、社内教育など。必ず用意しておきましょう。

質問がないということは関心がない、考えていないと受け取られがちです。

*応募案内やホームページに既に書かれていることを質問することは研究不足だと思われます。自分なりの質問を用意します。

 

 

その他の参考情報

上のほうのポジションの選考では、関連部門のマネージメント職との会食が持たれることがあります。

採用側がオファーを出すことを決めたうえで、企業文化との相性を確認するために行います。

自分が選ばれる側という受身な気持でなく、こちらからも相性を確認するつもりで臨みましょう。

 

以上、2回に分けてざっくりですが、外資系での採用面接でよく聞かれる質問とその回答例をまとめてみました。

ポジションが上に行けば行くほど、初めから要職の方とあい、会食に参加することになります。

ポジションに相応しい服装やマナーもチェックして身に付けておきましょう。

投稿者プロフィール

河野 木綿子
河野 木綿子
河野木綿子(こうのゆうこ)
仕事の英語パーソナルトレーナー。管理職の英語のお悩みを出張個人レッスンで解決します。
トレーナーはいわゆる純ジャパ育ち。新卒で(株)西友に就職したものの、外資に転職しました。その後大手外資系企業で25年間、仕事の英語を駆使してグループ会社全体のシニアマネージャーへと上り詰めました。英語だけでなく仕事を回すための異文化コミュニケーションのコツもお伝えしています。
主な勤務先;
モルガンスタンレー、バクスター、ファイザー、シーメンス

主な著書;
『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』すばる舎
『読むだけでTOEIC®テストのスコアが200点上がる本』あさ出版

メディア取材・掲載:プレジデントオンライン掲載記事 外国人上司の苦悩

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