英語が変われば仕事も変わる  製薬業界が得意です (月曜休)

外資への転職:面接に合格するための事前準備

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今日は外資への転職を考えている方、逆に中途採用で面接官をする可能性のある方が読むとヒントになりそうな、面接で聞かれる項目と回答例を取り上げます。

昨日ツイッターを見ていたら、同業者の大先輩のベテラン先生が「外資系への転職を希望していた人に面接を受ける指導をしたら内定しました」とつぶやいていました。

先生、そして内定された方、おめでとうございます。

その方は、ご自分で準備された質問に答える英語 のレベルが高すぎてため、話しやすくするために難易度のバランスを手直しされたようです。

私のクライアントさんの中にも今まで、外資系に転職するために面接対策をされた方が何名もいらっしゃいます。

中にはお取引先のポジションに応募して採用され、やりたかった仕事を手に入れただけでなく年収が倍になりました!という強者(つわもの)もいます。

外資系の面接に臨むときの想定問答集のようなものを作ってお渡ししているので、何回も面接を受けると面接のたびに自分で言えるようになりたいことを継ぎ足し、継ぎ足ししてオリジナルを完成されていました。

 

構造化面接と非構造化面接

採用面接にはざっくり言って2種類あります。

構造化面接(Structured Interview)と非構造化面接(Non-structured interview)です。

構造化面接は、候補者に対して同じ質問を(原則)同じ順番でします。例えば新卒採用面接のグループ面接がその一例です。

採用者のポジションが管理職以上ですと、外資系の場合、海外の部門責任者とオンラインでつないでインタビューをするのが近年、当たり前になってきました。

さらに 採用企業が採用専門のコンサルティング会社に外注して、候補者の例えば5つの能力を電話でアセスメントを実施して数値化後、他の候補者と比較すると言うケースもあります。

大勢の候補者と面接をする場合は、人事の採用担当者だけでは面接官が足りませんから、各部署のラインマネージャー(部下のいる管理職)に対して、構造化面接のために面接官研修を行います。

大きな会社にいたころ、いっぺんに数十人の管理職に対して質問内容、順番、と質問の仕方、してはいけない質問の周知徹底をしたことがあります。

それに対して非構造化面接は質問内容や順番に決まりがありません。

非構造化面接をする理由は、

会社側が面接手順についてこだわりがない場合や、Start up 企業などでとにかくその候補者に入社して欲しい時、役員との最終面接で経営陣と候補者の相性を確認するためのものである場合などです。

候補者によって質問が様々なので他の候補者と客観的に比べるのが難しくなりますが、相性の良しあしは「ウチに合いそうかどうか」ということなので社員を採用する際の大切な要素ではあります。

 

私たちは面接というと、とかく企業が候補者より上の立場であるような印象を持ちがちですが、実際には両者が対等な「お見合い」と考えてもいいでしょう。

残念ながら面接に通らなかった場合は「お見合いだから相性もあるさ」と気分転換できるといいですね。

また面接で先方に出かけていくと面接をする部屋まで案内される際に、社内の雰囲気、すれ違う既存社員の表情からある程度その会社の様子を想像することができ、こちらからも入社したい会社かどうか判断する手がかりになります。

ここからは構造化面接の場合にどんなことを聞かれるか典型的な例を日英両方でご紹介します。経験者の方にとっては「あるある」に違いありませんが、良かったらお付合いください。

構造化面接でよく聞かれることとその回答例をよくある順番でまとめてみます。

およそ10個程度あるので、今日と次回との2回に分けてご紹介します。本日は前半の5つについてです。

緊張をほぐす質問(Ice Breaking)

面接では、候補者の緊張を解きほぐし、その人本来のよいところを引出すという大切な目的があります。たとえ優秀な候補者でもガチガチに緊張してしまい、思うように話せないと後悔が残ります。

研修の冒頭でも参加者同士の心の距離を縮めるために軽いゲームをしたりしますね。

これを Ice Breaking と言い、誰にでも気楽に答えられることを尋ねられます。

例えば海外とつないでオンラインで面接をする場合;

質問例: How’s the weather in Tokyo?
東京のお天気はどうですか?

回答例: It’s getting warm toward summer. I’m happy about it.
夏に向かってだんだん暖かくなってきました。嬉しいです。

質問例: How long did it take you to come into this office today?
今日はオフィスに来ていただくのに、どれくらい時間がかかりましたか?

回答例: It took me about an hour by subway from my place.
自宅から地下鉄でおよそ1時間でした。

 

今までの経歴について

経歴 という言葉は必ずしも career という言葉だけでなく、バリエーションを用意して他の言葉も使ってみましょう。

面接官に対して自分が英語を使い慣れた印象を与えることができます。

 

質問例1): Could you tell us your job history?
あなたの職務歴について教えていただけますか?

質問例2:)Could you summarize your career so far?
今までのキャリアをかいつまんで教えていただけますか?

この質問では仕事の経験とともに、相手に分かりやすく整理して説明する能力も見られています。

ポイントがいくつあるか初めに大枠を話し、それからそのポイント一つ一つについてすと面接官に伝わりやすいです。

回答例: My job history consists of mainly three parts.
私の職務経歴は主として3つの部分からなりたっています。

First, I started my career as xxxxxxx after graduating university
ひとつめは新卒でのxxxxxの仕事がキャリアのスタートです。

Then, joined my current company as xxxxxxxx.
その後、今の会社にxxxx として入りました。

After three years, I was transferred to my current position.
その3年後に今のポジションに異動になりました。

質問例: What are your current responsibilities?
今の職務範囲はどんなことですか?

回答例: I have been a manager of xxxxx section for xxx years, and my responsibilities consist of three areas.
xxxx セクションのマネージャーをxxx年しています。責任範囲は3つあります。

First, xxxxxx. Second, xxxxxx, and the third one is xxxxxx
一つ目は。。。二つ目は。。。。そして三つ目は。。。。

I’m also responsible for younger staff’s development* in my group.
更に同じグループの若い人たちの育成も担当しています。

*人を育てるのは 組織の中では raise ではなく develop

専門分野について

日本企業では社内の様々な職種をローテーションで体験させるのが将来の幹部候補者の育成法方法の一つであることが多いですが(かつではそうでした)、外資系だと1つの分野に高い能力と豊富な経験を持っているほうが重要に思われます。

回答の際は解りやすく整理して、応募ポジションと関連のあるものを中心に回答しましょう。

質問例: Which area have you worked for?
今までどの分野で仕事をしてきましたか?

回答例: I’ve worked for xxxxx area mainly.
主にxxxxの分野で仕事をしてきました。

In addition to that, I have experience in xxx for xxxx months.
それに加えて、xxxx を xxxx ヶ月経験しています。

I have a qualification / license in xxxxxxx.
xxxx の資格(または)ライセンスを持っています。

質問例: What are you specialized for?
あなたの専門分野は何ですか?

回答例: I’m specialized in xxxxx または I specialize in xxxxx
私の専門分野は xxxxx です。

My major at University was xxxxx. So, now I’ve been working in xxxx area.
私の大学での専攻はxxxxでしたので、今その分野で仕事をしています。

 

応募の動機

直近の調査結果をつい先日目にしましたが、転職した人の理由で一番多いのが職場の人間関係で、全体の3割に上るそうです。

とはいえ面接で応募の動機を聞かれたら、前向きかつ、応募先の企業で役に立てそうな動機を上げるほうがお勧めです

自分のキャリア目標、企業理念、業績、業界の将来性など。会社に貢献できることもアピールします。

質問例:Why would you like to work for this company?
どうして当社で仕事をしたいのですか?

回答例:I’ve heard about your company’s unique marketing activities and the customer oriented policy.
御社のユニークなマーケティング活動と顧客優先のポリシーについて聞いています。

I’m marketing driven, and I feel that I can contribute to your company with my skills and the knowledge.
私はマーケティングに基いて行動します。御社であれば、自分の技術と知識を活かして貢献できると感じます。

 

応募するポジションを理解しているかの確認

この質問に対しては嘘偽りなく答えたほうがいいですし、こちらからも立ち入った質問をしてみましょう。

入社してから「こんなはずではなかった」ということを防ぐために大切な質疑応答です。

質問例: What kind of skills would you utilize in the job you are applying for?
今、応募されているポジションについたらあなたのどんな技術を活用しますか?

回答例: I would like to utilize my time and customer relation management skills to coordinate the work between my team and other department.
時間管理とカスタマーリレーションの管理能力を活かして自分のチームと他部署の仕事の調整をしていきたいです。

 

 

さて、だいぶ長くなりましたので、今日はここまでです。

次回はデリケートな希望年収を聞かれたときの回答のコツ等、引き続き5つの項目についてとりあげますね。

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#外資への転職 #面接対策 #構造化面接

 

 


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