30代の終わりごろに仕事を辞めてロンドン大学の大学院に留学をしました。
人の採用、配置、育成、教育の効果測定に関わるアセスメントについて専門知識を深めるためでした。
とてもニッチな分野なので当時は国内で学べるところがなく、しかたなく海外へ行ったのですが
でも若いころから一度は海外生活をしてみたかった。ということと
「学生」という気楽な立場で海外生活を経験したい。と思っていたから。
実際に学生寮に住んで、生活が始まったら
えっ?日本と違う。。。と思ったことが二つあります。
どちらも根っこは同じで「全ては自分次第」ということなのですが。
一つ目 ダメもとで交渉してみる
ロンドンの地下鉄の料金はゾーン制になっています。
東京の地下鉄もそうですが一定の距離まではどの駅まででも同一料金。
ただしロンドン地下鉄の料金制が東京に比べて厳しい点は「乗越しができない」
ということです。あらかじめ目的地までのチケットを買う必要があって
チケットで支払った以上の距離に乗ってしまうと20ポンドの罰金が科されるのです。
あるとき今まで行ったことがないゾーンまで夜中に乗越してしまいました。
ゾーンを示したプレートが見当たらず、よくわからないままに
当てずっぽうでチケットを買ってしまったからです。
当然、改札で呼び止められ20ポンドを払うように言われました。
そこで
「見てお分かりのように私は一時的にロンドンにいる留学生です。
ゾーン制に不慣れで金額を間違えてしまったのです。
不正をしようとは全く思っていなかったのです」
と、ありのままを話したところ、あっさりと OK, You can go!
と係員はにっこり笑って私を解放してくれました。
そうです。こちらの事情なんて言葉で伝えないとわからないですよね?
ダメ元で言ってみる。
これ以降、私は仕事でも「不可能そうなこともまずは事情を説明して交渉する」 というワザを使うようになりました。
具体的には;
人手がたりない。→ 社長に交渉する
不慣れな通訳を頼まれた。→ 相手に「短い文章で話してくれませんか?」と
交渉する。
そんな恥ずかしいこと。。。と眉をひそめる方もいるかもしれませんが、仕事の目的を達成できないほうがよっぽど機会の喪失でもったいない。
ダメ元で交渉してみる。は、意外と多くの場面で新しい可能性を切り開いてくれます。
2つ目 大人は自分のことは自分で決める
会議中に、すっと席を外してトイレに行くかどうか。
会議中にコーヒーを取りに行くかどうか。
私たち日本人の多くはは子供のころ幼稚園や保育園で
「先生、お手洗いに行っていいですか?」
「先生、お水を飲んできていいですか?」
何をするにも先生にお伺いを立ててから、と躾けられます。
先週、ある管理職の方と話していたら
外国人出席者との英語の会議で トイレに行きたくなったらどうするか?という話題になりました。
「黙ってトイレに行かないですよね?」と訊かれて
「いえいえ、人に断る必要ないですよ。自分のことですから」と即座に答えてしまいました。
生理的な現象は人様に許可をいただいて処理するものではなく、状況を見ながら自分で判断する。で問題ありません。
たとえば先ほどのロンドンで学生をしていたときも
階段教室の階段に座ってスナックを食べている人。
居眠りをしている人(ところが、突然手を挙げて質問したりするんです!)
いろんな人がいました。でも講師は全く気にしない。当たり前の出来事のようです。
トイレに行くなんて珍しくもない。
外資系での仕事が長い友達にこの話をした時も
「そうそう、国際会議でみんな三々五々、コーヒーを取りに行ったりスナックをつまんだり
トイレなんて、緊迫した話し合いの最中でない限り、普通に行くよね」
と、私と同じ感覚でした。
とはいえ、もし会議中にさっと抜けてトイレに行くことに抵抗感があるとしたら、隣の人に聞こえるどうかくらいの声で
“I’ll be back in a minute”
すぐに戻ります。
と言い残して行けば、「簡単な席外し」だからせいぜいトイレでしょ?
くらいはわかってもらえます。
間違っても
”Can I go the the bathroom?”
トイレに行ってもいいですか?
と大の大人が司会者に許可を乞うことはありません。
コーヒーが飲みたければ取りに行く。お水が飲みたければ勝手に持ち込む。
生理的なことに対して寛容なので、リラックスして話の内容に集中できる。
周りの人がどう思うだろう?という余計なことに神経を使わなくていい。
母語である日本語で話し合いをするよりは集中力がいりますが
身体の面では楽ちんで、私は好きです。英語の会議。
仕事の英語パーソナルトレーナー
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