これはまだ外国人上司と仕事をしたことがない方に向けて書いた記事です。
ガラス張りのオフィスにスクリーンやブラインドが下りていたら立ち入らないこと。
『マイインターン』 2015 アメリカ映画 を観た
普段あまり洋画を観ないのですが、出て来るインターンが70歳の設定で、それもロバート・デニーロということで気になってはいました。
いつもなら旅番組を観るのに充てる時間をアメリカ映画に充てたのです。
ファッションのネット通販の会社を立ち上げて急成長した会社の社長がジュールズ(アン・ハサウェイ)インターンを募集したところ、
他の20代、30代に混ざってすでに現役を引退していたベン(ロバート・デニーロ)が応募してきて選考に通るのです。
社員同士のやり取りもオープンで今風。
How are you? よりも What’s up?
I’m fine よりも Great, you?
だれとだれがくっついたみたいな男女間のつながりもオープンです。
ベンもオフィスに専属のマッサージ師のフィオナとくっついちゃったりして。
風通しよく、なんでもオープンに見える職場ですが一点だけ「ああ、やっぱり!」と懐かしくかんじたことがあります。
上司がオフィスのスクリーンやブラインドをおろすとき
そんなオープンな職場でも「おや、何かな?」と思うことが時々あります。
上司自らがガラス張りのオフィスのスクリーンやブラインドを床近くまで下すときです。
私が外資系で仕事を始めた30年近く前もそうでしたが、映画では今でも変わらず。
ジュールズの旦那さん、デイビスが彼女のオフィスに訪ねてきたときです。
家族がオフィスに訪ねて来るのは珍しいことではなく、だれも気に留めません。
でもジュールズはデイビスがオフィスに入ってくるとすぐにガラス張りのオフィスの四方のロールスクリーンを床近くまでおろして回ります。
これは偉い人でも他人に頼まず自らやります。
そういう時は第3者はオフィスに入ってはいけないし、Nock on the doorもご法度です。
極めて重要な、他者に聞かれてはいけない内容の話し合い。
または重要な組織人事上の変更についての in person な話し合い。
“オープンドアポリシー”という言葉
私が知っている、あるいは経験した範囲ですが、アメリカの会社もドイツの会社も社長をはじめとしてVIPのオフィスはドアが開けっぱなしで
「なにかあれば、いつでも話を聞きますよ」という態度を実際に行動で示していました。
オープンドアポリシーと呼んでいました。
偉い人が誰に対してでもオープンでフェア。誠実に話に耳を傾けますよという一種のデモンストレーションですね。
現に私もドイツ系コングロマリットにいたころ、日本代表(ドイツ人)の部屋に行きアポなし、Nock on the Door (コンコンとドアを二つたたくだけ)で部屋に入り
話しを聞いてもらうことができました。
ドアをコンコンと叩くと、Come on in! と声を掛けてくれるのです。
でもスクリーンをやブラインドが下げてあったら要注意。
そこにはセクレタリー(今ではBusiness Partnerと呼ぶ)でも立ち入れません。
同じオフィスにいる社員は見て見ぬふりをしながらも
「相手はだれ?」「何を話しているんだろう」と気になっています。
今回観た映画『マイインターン』でもジュールズのオフィスでの夫デイビスとの今後の生活について話す最重要シーンなので
ネタバレになりますので書かないでおきましょう。
「もう決して若くないビジネスパーソンの最強の武器は経験」という言葉にあちらこちらのシーンでうなずかされ
勇気が出てくるような映画でした。