仕事の英語: 「Yes, but…」と続けるのは絶対避ける

ブログで「仕事のえいご」について書き始めてから5年目に入りました。
2014年の5月からアメブロで始まったブログが昨年末よりこちらのサイトに引越してからも

話しの聞き手にわかりやすく
誤解を招くことなく
効率的なコミュニケーションができるか

に関連のある記事を時に文化的背景を交えて取り上げてきました。

そして様々なトピックを取上げれば取り上げるほど
私がこのブログの読者にお伝えしているコミュニケーションのコツは
英語・日本語の言語の違いや、文化の違いを超えて

相手に伝えたいことが整理されている
相手に分かりやすい順番で伝えている(結論が先、説明は後から)
説明の中に具体例があるとよい

など「構成がたいせつ」ということに気づきました。

まずは相手の質問に答える

近ごろ取り挙げたトピックの中に

「質問に答えることから始める」 というテーマがありました。

テレビのバラエティ番組でゲストが専門分野について司会者から
質問を受けた時に本当はすぐに質問に答えて欲しいのに、まず背景説明を延々としてしまう。

その結果、時間切れになってしまう という内容です。

相手に分かりやすい説明をしてあげたい。失礼のないように回答したい。
という親切心があだになって丁寧な背景説明から入ってしまう。

例えば最近、こんなことがありました。
この夏、ロシアにフィールドワークに行く方と話していた時のことです。

私がその方に「ロシアの国民性ってざっくりいうとどんな感じですか?」と質問をしました。

私は「おおらか」「あけっぴろげ」くらいの大まかな回答を期待して
いたのですが

その方の口からはその後、数分にわたりロシア建築の特徴についての話が続きました。

ロシア人気質

その方にとってはロシアの国民性を説明するために、ロシア建築の話を引き合いに出したかったようです。
お気持ちはとてもよくわかります。

でも、質問をした私は「早く結論を知りたい。。。」と正直やきもきしてしまいました。

日本語のやり取りでは相手が話している途中で遮るのは失礼。質問者は説明を辛抱強く聞きますけれども
日本語を話さない上司と英語を共通語としてやり取りをしていると、上司は途中でイライラして

「で、どうして欲しいの?」
「あなたが言いたいのはこういうこと?」

と言われることがよくあります。

これは英語力不足とは全く関係がないことが大部分。
内容が整理されていて、分かりやすい順番で話せば、難解な英単語を並べなくても伝わります。

 

口癖になりがちな逆接の接続詞

前置きが長くなりました。

今日は英語だけでなく、日本語で話す際にもここを改善すると話が伝わりやすくなる。
という接続詞の使い方の一例を取り上げます。

それは「逆接の接続詞」を多用しない ということです。

例えば、上司に報告したいことがあって、声を掛けるとき。
「ちょっとお時間いただけますか? 〇〇の件についてなんですが。。。」

これです!
「〇〇の件なんですが」の最後の「が。。。」

先方と話してみたんですが、基本的にはOKだそうなんですが、最終的には来週まで待って欲しいそうです。
私は問題ないと思うんですが、課長、どう思いますか?

逆接の接続詞「が」が3つ入っています。

詳しい解説は専門家にお任せしたいと思います。
でも「が」の前後で文章の主張がひっくり返ってないことはわかります。

自分の同僚や自分自身の日ごろの話すときの口癖を振返ってみると、
意外なほど高い確率で

「文脈が逆接でないのに『~ですが』を使っている人が少なくない。

実は私自身も10数年前に同僚から指摘されて「無駄な逆接の接続詞」の多用に気づきました。

人事部からのアナウンス文の原稿を試しに呼んでもらったところ

「これ、『~ですが』っていう言葉がところどころ入るけど、必ずしも前後が逆接になってないでしょ?」
と指摘を受けました。
ただの口癖でそれまで全く気にしたことがありませんでした。

先ほどの上司への報告のケースをもういちど取り上げます。

『先方と話してみたんですが、基本的にはOKだそうなんですが、最終的には来週まで待って欲しいそうです。私は問題ないと思うんですが、課長、どう思いますか?』

は逆接の「が」を取り除くと

『先方と話してみたところ基本的にはOKというで最終的には来週まで待ってほしいそうです。私は問題ないと思います。課長はどう思いますか?』

ひとことも「~なんですが」を入れずに話すことで、聞き手には内容がすんなりと伝わります。

「~なんですが」という逆接が入ると聞き手は、この後 いままでの内容が逆転することを無意識に予想してしまいます。
母国語である日本語でも紛らわしい。

さて、そのまま英語にするとどうでしょう?

さらに日本語で話すときに「~なんですが」という口癖がある人が英語で話すとき。

そのまま英語で も BUT を多用してしまう。

Can you finish the report by five?
5時までに報告書、仕上げられるかしら?

Yes, but I need you review before finalizing it.
はい、でも最終盤にする前に目を通していただきたいのです。

この
Yes, but… 使っている人少なくないですよ。

上司は時間に間に合うかどうかを知りたい。
でも部下は一度 Yes と答えておきながらそのあとに

BUT

の一言を入れてしまう。そうすると上司は間に合うかどうかがぼやけて混乱します。

実はこれも伝えたいことがはっきりしていて、どうしたら相手に伝わりやすいか

という工夫の一つです。

今は仕事で英語を使いません。という方も自分が日本語で話す際に

意味のない逆接の接続詞「~ですが」

を極力取り除いて話してみてください。
話しの内容が整理されて、聞き手の耳にすんなりと受け入れられやすくなります。

投稿者プロフィール

河野 木綿子
河野 木綿子
河野木綿子(こうのゆうこ)
仕事の英語パーソナルトレーナー。管理職の英語のお悩みを出張個人レッスンで解決します。
トレーナーはいわゆる純ジャパ育ち。新卒で(株)西友に就職したものの、外資に転職しました。その後大手外資系企業で25年間、仕事の英語を駆使してグループ会社全体のシニアマネージャーへと上り詰めました。英語だけでなく仕事を回すための異文化コミュニケーションのコツもお伝えしています。
主な勤務先;
モルガンスタンレー、バクスター、ファイザー、シーメンス

主な著書;
『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』すばる舎
『読むだけでTOEIC®テストのスコアが200点上がる本』あさ出版

メディア取材・掲載:プレジデントオンライン掲載記事 外国人上司の苦悩

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