英単語は使いそうなものから覚える
管理職として仕事で使う頻度の高い英単語を集め280語の単語集を作りました。
4年前からクライアントさんの英語学習に使っていただいています。
どう使うかというと、自分の状況設定で実際に起きそうなことを作文してもらいます。
そうすると「え?こんな使い方するんですね?」という驚きの声がよくあがります。
自分の仕事の出来事をこんなふうに表現できる。という驚きや、わかったことの嬉しさ。
そして、出来る限りはやい機会に実際にその表現を使ってみたいという前向きな気持ち。収穫は多岐にわたります。
単語帳の英単語を覚えても時間が経つと忘れるわけ
これが市販の単語帳であらかじめ例文が載っている場合だとこの感情の動きがありません。しょせん、知らない人が文章として
おかしくないように作った作文。
頭の中に情景が浮かびにくいです。心が動かず、感情を伴わないただの『例文』です。
逆に感情が動いたときのことは何年も経ってからでも「ああ、あの時の。だれだれさんがこんなふうに使ってたよね」と
思い出すための手がかりがたくさんあります。
私もそんなふうにして覚えた単語や表現がたくさんあります。むしろ大部分はそんなふうにして覚え、実際使って定着してしまった英単語です。
そういう英単語は頭の中にしっかりとイメージが浮かぶので 話すときに探すまでもなく口からついてでてきます。
その一例が accumulate
「雪が積もる」ということを言うとき 主語は Snow です。そして「積もる」を表す動詞が accmlate だったのです。
まさか「雪」の動詞に使うとは思わなかったので
Does snow accumulate in Tokyo?
とシカゴからのビジターに聞かれたときは何のことやらイメージが浮かばなかったのですが、
次の瞬間、ビジターが床から30センチくらいのところに手のひらを下に向けてかざし、また同じことを言った瞬間、
「あ、東京で雪が積もるかどうか聞いてるんだ」とひらめいたんですよ。
もしこのaccumulate という単語にテキストで出会っていたらそこまで鮮烈なイメージを持つこともなく
時間とともに忘れていたことでしょう。How lucky I was!
この出来事があったのは 1990年代半ばのことで場所は地下鉄丸ノ内線が新中野を通過しながらのことでした。
もしテキストの例文で「富」や「数」が蓄積する だったら覚えてもすぐ忘れそうですし、思い出す手がかりがありません。
クライアントさんの実体験から
ブログにこのことを書こうと思ったのは、昨日クライアントさんとのレッスンの中で同じようなことが起きたからです。
人事のマネージャーの方と 関谷恵理子さんの「ビジネスパーソンの英単語著」に出てくる表現を、自分の状況に落とし込んで練習していた時。
クライアントさんが、「あ!私きょう、この表現をメールの返信の中で使いました!」と声を上げたのです。
それは month after month という単語。
私が「私なら on monthly basis とか every month」って言う気がする
と彼女に伝えたところ
「あ、これ、今日のメールで使いました!」という偶然への驚きになったのです。
month after month はメールの発信者の文中にあったそうで、返信のときにそのまま真似して使ったそうです。
彼女にとって month after month は下の3つの理由で覚えやすく、思い出しやすくなったことでしょう。
① 海外の同僚がメールの中で使った表現で、自分もそれを使って返信した
② その日のレッスンで偶然その表現が出てきたのでそのことを私に話した
③ 私がそれの別の言い方を2種類あげたので「そうなんだ~」と思った
ビジネス英語は単語が難しくて大変。とプレッシャーを感じている方が多いですが、実はそうでもありません。
仕事で使う単語や表現は業界や職種によってあるていど偏るので、自分が知らない単語や使い方に出会ったら
こんな手順を踏んでから、なるべく早い機会に実際使ってみると、自分でも使えるようになります。
① 辞書でアクセントの位置を調べて発話する
② カジュアルかフォーマルか、使える状況を確認する
③ 例文でコロケーション(この名詞にはこの動詞といった相性)を調べる