英語が変われば仕事も変わる  製薬業界が得意です (月曜休)

役員向け英語プレゼンで撃沈された話

お知らせ:
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恐るべし!気のゆるみ

今から10数年前のことです。

人事部の私は役員会に新しい管理職を対象に新しい人事評価制度を広める研修を実施する承認(実施と予算)を取りに行きました。

評価制度は「Management by Objectives」という目標の達成度合いに基づいて個人の評価を決めるというしくみです。

当然、プレゼンは英語です。

変なやつ、と思われるかもしれませんが、正直なところ役員会での英語のプレゼンには自信がありました。

その前にいた外資系製薬会社では上司から「人事の切込み隊長」と呼ばれるくらい頻繁に、役員会でのプレゼンを経験していたからです。

こちらの話し方ひとつでトップマネージメントの方の反応が変わるのが楽しかったのです。

気持的に余裕を感じながら指定時間に役員会議室に入っていくときは、まさかこの日が初めての失敗英語プレゼンになるとは思ってもいませんでした。

大テーブルを見回した後、調子よく

Today, I will be sharing with you our New MBO System.

とプレゼンを始めました。
(*MBO:  Management by Objectives 目標による業績管理制度)

他の外資系企業のMBO導入事例の話を始めたところ、

“Kono-san, are you giving us a training today?”
「Konoさん、あなたは今日、私たちに研修をしに来たの?

という大きな声が。。。
サプライチェーンの事業部長Mさんの声でした。

そこで我に返って気づきました。

「あ、説明から始めてしまった。。。」

本来なら最初に
「新しい目標管理制度について管理職向けの研修をしたいのでご承認ください」と言うべきでした。

長年、海外で仕事をしているMさんは英語もロジックも完全にネイティブのパターンになっている優秀な人です。

メインメッセージを言わずに、背景説明を始めた私にいら立ちを感じたのでしょう。

本当は結論から言わなければいけないのに

通常、私もプレゼンは常に結論から始めていました。

①結論
↓ ↓ ↓
②背景説明

という順序で話すことを心掛けていたのに。
好きな研修の話だったからでしょうか、ワクワクしながら頭の中に会った事例の紹介話から始めてしまったのです。

英語のプレゼン、とくにビジネスプレゼンには承認を取りやすい、ロジカルな構成があります。それは

5つの構成から成る 基本構成 Five pieces

  •  メインメッセージ: このプレゼンを聞いたら「こうして欲しい」  

多くは「承認してください」で内容は「予算」や「人手」です。

→ これが最初のPiece

  •  (①)の理由とそれを裏付ける資料(データ)基本3つ

→ ここで3つのPieces  

提案に懸念点があるときはその補完策も。

  • (①)を繰り返すとともに承認することでどんな利点が会社にあるかとプッシュする

→ ここでもう一つのPiece
合計で5つのPiecesです。

以上を個人的に Five Pieces と呼んで今まで多くの英語プレゼンワークショップでご紹介しています。

冒頭でご紹介した『シンプルに一度で伝わる!英語プレゼン初級者コース』でもこのパターンを資料の作り方も含めて詳しく解説しています。

英語プレゼン初心者は質疑応答を最後にする

もしあなたがまだ英語プレゼンにあまり自信がないと感じていたとしたら

質疑応答(Q&A)はこのあとにするほうが楽です。

なぜならプレゼンをしている最中に自由に質問していいとなると、話すだけでも精いっぱいなのに中断されて

頭が真っ白!

答えたくても英語でうまくいえなくて固まる!

ということが起こるかもしれません。

ただし、これはプレゼン本体が10分程度までの場合。
10分をこえる場合は途中で遮って質問してもいいことにしたほうがいいです。

You can interrupt me when you have questions.

なぜなら聞き手の興味をひきつけて「質問したい!」と思ってもらったのに、長い時間待っていると「もうどうでもいいや」と興味が薄れてしまうからです。

プレゼンの場をほぐす楽しみ

自分の英語プレゼンの型が出来上がってからは、実は英語プレゼンが楽しくなりました。

初めてプレゼンをした時から既に10年以上経ったころ心の余裕が出てきました。初めのひと言をどんなふうに始めようか?と考えるが楽しくなったのです。

   ☑こんなことを言ったら(たとえば聞き手の方たちにお世辞を言ったら)
   みんなどんな顔をするかしら?

   ☑こちらからの質問で始めたらだれがどんなことを言うかしら?

   ☑長い間、黙ったらみんな「どうした?」と惹きつけられるかも。

そんなことを考えて時にやってみたりするとその時その時反応が違うのでプレゼンが楽しくなります。

TEDのように演出たっぷりにする必要はありませんが、プレゼンの冒頭で聞き手が自分の事を

「この人の話は面白そうだ」
「話を聞いてみたい」

と思ってくれるようなプレゼンの始め方を考え付いたらぜひ試してみてください。

例えばプレゼンの冒頭で聞き手全体に質問を投げかけるというのも一案です。

「もしこの会社に〇〇を実現できる仕組みが合ったらいいと思いませんか?」

というように。

聞き手の方は興味を持って聞いてくれますし、聞き手が乗り気な態度を見せてくれると会場に一体感がでて緊張感も薄れます。


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河野木綿子のナマ英語がたくさん聞けます。どんな雰囲気の私か見てみてくださいね。

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