英語が変われば仕事も変わる  製薬業界が得意です (月曜休)

英語で失敗:事業部長をナンパ男と間違えた

この記事は映画や小説で覚えた英語を仕事で使って失敗する人がいなくなりますようにと思って書きました。失敗談は2つとも私の実話です。
* 写真は文中の男性とは関係がありません

エレベーターの中で話しかけられた

今から20年近く前の話です。
当時私はロンドン大学の留学から帰ってきて大手の製薬企業で仕事を始めたばかりでした。

女性で管理職で海外帰り。は当時その会社ではまだ珍しかったのでいろいろなことを頼まれました。

その中で多かったのが

「日本語メールを英語にして」

という頼まれごと。

正直、私、英語やさんじゃないんだけどな。と思いましたが目の前に困っている人がいると仕方なくお手伝いをしていました。

いまでも覚えている英文メールはある事業部長宛てのもので、お名前がフランス系でスペルが難しいので

英語訳を頼んできた部長が「スペル気を付けてね!」と何度も言ったためによく覚えています。

入社して3年目くらいから会社が新しい制度をどんどん入れ始めて、海外で学んできた私がプロジェクトリーダー的な役割をいただくことが増えました。

そうなると役員会でプレゼンンをする機会が増えます。

社長からも「やあ、また君だね」と言われるようになり
役員会プレゼンは緊張はするものの、なんとなく楽しいものになっていました。


ある日、同僚たちとランチに行った帰りに会社のエレベーターに乗りました。
かなり混んでいて、誰かが降りるときはみんなが一斉によけて通してあげる状態。

同乗している人ごみの中から誰かが私をじっと見ていることに気づきました。そして

“Have we met before?”

「以前お会いしましたか?」
と、話しかけてきたのです。

正直、「わっ!ナンパされてる?」と思って首を振りながら

”I DON’T think so…”
「いえ、そんなことないと思うけれど」

と答えてよ~くその人の顔を見たらある事業部の役員でした。

やっと気づいて、慌てて

“Oh, 〇〇-san, nice to see you!”
と、返しました。

今だからこそこっそり言いますがなかなかハンサムな素敵な方だったのです。

そして後になって思い出したのが、
私が転職して早々に「名前のスペルに気をつけて」と言われながら書いた英文メールの受取人でした。

映画や小説で覚えた表現は調べてから使う

私が
”Have we met before?”
「以前お会いしました?」

という表現を覚えたのは映画の中でした。いわゆるナンパシーン。

男性が、魅力的だと思った女性に話しかけるためのきっかけ作りに掛けた言葉でした。

もちろん言葉の意味通り「どこかでお会いしました?」と確認のために使うこともあるのに映像でみたための思い込みは怖いですね。

少なくとも私の頭の中では 
Have we met before?=ナンパ
というイメージが出来上がっていたのです。

なんと恥ずかしい勘違いでしょう。そして思い上がりっぷり!



実は恥ずかしい英語の間違いと言えば正直、山ほどしてきました。

でも恥ずかしいだけではなくてとっても失礼なことを言ってしまったことがあるので

ここでご紹介しておきます。

歌で覚えた言葉も注意!

今から30年以上前、私がイギリス系英語学校で外国人ばかりの中で仕事をするようになったばかりのころのことです。

英語はまだ話し慣れていなくて毎日が緊張の連続。

DirectorのJohn に他のDirectorのSteveから電話があり、「Johnから折り返していただきますね」という返事をしてありました。

そしてJohnが席に戻ったときに遠くから声を掛けました。

私: Could you call Steve, please?

私も Pleaseさえつければ丁寧って思っていました。ほんとは目上の人にはもっと丁寧にお願いします。

そしたらJohnが”When?”
と聞き返してきたのに対して

私: Right away!

と即答しました。スケジュールの話で急ぎだったからです。

するとJohnは部屋の奥のほうから 大柄な体にも似合わない小走りで
たたたたっと私の席にやってきて小~さな声で言いました。

“Yuko-san, その right away っていう言い方はオフィスで使ったらいけないよ。特に目上の人の人に対して”

私が「なぜですか?」と聞いたところ、こんな返事が返ってきました。

“Right away は軍隊で上官が自分の部隊に対して すぐやれ~! と命令するときの言い方だから”

私の失礼さも相当なものです。

いくら当時英語が未熟で格式 (Formality)がわかっていなかったとはいえ。
John, 教えてくださってありがとうございます。

この“Right away”「いますぐだ!」 という表現は実は歌で聞き覚えた表現でした。

中学生のころ聴いて大好きだったPaul McCartney の『Ram』というアルバムに収録されていた曲の中に出てきます。

♪Soon. Right away, right away!♪

好きで覚えていて、調べもせずについ口から出たというわけです。

同じようなことは 映画を観ていて そういう言い方があるんだ~。早く使ってみたい。

というときに起こりがちです。

ドラマチックなストーリー展開の中では感情的な表現が多いですから仕事で使っていいかどうかきちんと調べてから使いたいものですね。




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