この記事では英語はある程度話せるのに、一度で伝わらずいろいろ質問されてしまう方がストレスから解放されるためのちょっとしたコツを書きました。
日本語をそのまま英訳すると伝わらない
きれいにする・きちんとする
サラリーマンとして仕事をしていたころなのでずいぶん前ですがAuditという行事がオフィスで定期的にありました。
Auditとはいわゆる「監査」のことで、業務プロセスや結果の記録が管理できているか外部の監査法人がオフィスの一角を間借りしながら行うものです。
具体的には個人情報の保管の仕方とか、情報漏洩の防止とか、研究所などでは機材や試薬類が適切に保管・管理されているかといったことが確認されます。
もし指摘事項(規則・規定に反すること)があると、その改善のための「Action Plan」(改善計画)を策定して提出し、
定期的にその経過報告をだすことになるので、負担です。
指摘事項は少ないほどありがたいわけです。
そうなると当日指摘事項がないように(なるべく少ないように)上司は部下たちに言い渡します。
「監査が入りますから帰宅前に机の上をきれいにして帰ってください」
でもこの「きれいにする」というのは具体的にどういうことなのか???
人によって「きれいにする」の意味は違うかもしれません。
「きれいにする」とは;
①ノートパソコンは引き出しにしまって引き出しにはカギをかける。
書類は全て指定の場所に収納する。私物は机上に置かない。
②清潔を旨とする。机の上を毎日拭いてから帰る
③さらにこういう解釈も。綺麗というなら「花を飾る」。家族の写真を飾る。
それらを常に整然と並べる
少し大げさかもしれませんが、こういう解釈の違いは起こるかもしれません。
特にいろいろな文化的背景を持つ人たちのいる職場では。
ここでは「きれいにする」を取上げましたが、「きちんとする」も同様。
「きちんとする」の意味は人それぞれです。
擦り合わせをする
実はこれは私自身の困りごとなのですが、じつは私には「擦り合わせる」とはどういうことなのか分かりません。
その結果、その言葉がでてくるといつも相手にたくさん質問をしてしまって「空気が読めない人」と思われることがあるようです。
私がする質問というのは
「それはお互いの進捗状況や作業内容を共有する。必要があれば手を入れて調整するということですか?」
といった類のものです。
今こうやって書いていて、自分でも粘着質な感じの質問だと思います(笑。
でも「擦り合わせる」だと「何をどれくらいやったのか」が分かりません。
そういう私は「擦り合わせる」で納得している人からみたら本当に困ったちゃんです。察してよ。という声が聞こえてきそうです。
話に主語を入れる・具体的な動作を入れる
日本語だけで暮らしていると「だれが何をした」という話をするときに主語を省略することが多いです。
それどころか省略せずに常に主語を入れると特に自分の話だとくどくなります。
「私が~しました」
「私は~と思います」
とても自己主張、自己顕示欲の強い人に聞こえませんか?
でも、それを避けるためだけでなく、ただの習慣で主語がない文章で話したり書いたりしていると
英語で話そうとしたときに始めのひと言を探してしまって言葉が口から出にくいということが起こります。
英語で書くときも同じです。
会社員時代に日本語のメールを英文メールにするお手伝いをしたことがあり、訳している途中で「ん?この動作の主はだれ?」とわからなくて
依頼者の方に確認するということはよくありました。
依頼者の方はその都度説明してくれましたが、もしかすると心の中では「そのくらい察してよ」と思っていたかもしれません。
とはいえ、せっかく英語で話したり、書いたりができるようになったなら
日本語 → 英語
にする際にはぜひ 具体的な動作・主語を入れる
をしてみてください。
「言わなくても、書かなくてもお互いに分かっているはず」と日本語同様に省略しては相手に分かってもらえません。
実は日本語のやり取りでも省略しすぎて行き違いが起きることはままあるのですが。
日本人は「あなたが悪い」とか「私のせいじゃない」と
対立することを嫌うせいか
「私の説明が足りませんでした」
「いやいや、(私の)説明が分かりにくくてごめんなさい」
とお互いが思いやり合って事なきを得ているのですがね。
さすがはかつて聖徳太子が高額紙幣に印刷されていた国の国民です。