これは英語の会議で周りが何を話しているかわかるけれど発言できない人のための記事です。
自分の意見をまとめる習慣がない?
法人契約のクライアントさんが卒業されるときに、感想・意見を聞くためのアンケートにご協力いただいています。
その中に「意見を持つと言うことに慣れて
普段、自分の意見を自分なりに持って口にすることがないと気づかれたそうです。
そういえば日本の企業、または日本的な外資系企業では
役員や上司が意見を言ってから、それに逆らうことがないように
自分の意見を決めるといった傾向があるんじゃないか?と感じたことがあります。
過去に数年間、日本のNPO活動に参加していたことがあります。
月に一度、週末に開かれる会合では、あらかじめアジェンダでているのはいいのですが
それに沿って会長が延々とご自分の意見を言っていく。
たまに誰かを指名して意見を求める
というものでした。
さらに会長が最年長。
オープンに意見を出し合うという雰囲気からは程遠かったのを覚えています。
周りの目が気になる?
また、複数の企業からの参加者が同席するワークショップのファシリテーターをしたときのことです。
参加者18名くらいのうち8名が、ある日本の老舗大企業からの参加者で
日ごろからお互いを知っているようでした。
その8名の中の一人を指名して、話し合っているトピックについて意見を求めたら
その方は自分の同僚たちを見回して
「わ、私ですか?」と戸惑ったのです。
同僚たちも彼を一斉に見ながら「何を言うのかな?」という表情で黙っています。
指名された人は意見がまとまらないのかしばらくの沈黙。
どんな意見が出たのか、正直なところ覚えていません。
意見そのものより、意見がなかなか出せないその方の表情の印象が私にとって強烈からでしょう。
自発的な発言の芽が摘み取られている?
そういえば小学校の時から私たち日本人は
自分の意見を言うときに手をあげて、先生に指名されるまでは勝手に話さない
ということに慣らされていました。
(今もおなじですか?)
指名されるまで意見を言わない習慣を一度子供のころに身につけてしまったことと
大人になって役員や上司の意見を聞いたり、指名されるまで
自分なりの意見を持たず、発言もしないということの間に関連があるような気がしています。
自分の中に考え方の軸となるよりどころがあって(賛成・反対とか)
意見を素早くまとめて言うという事は
今後、海外の人たちと仕事をして成果を上げるためには
英語はただのツール
そのよい例として思い出すのが、シンガポールでの会議に出たときに同席した
台湾の男性のことです。
発言したそうにしていて、もごもご言っています。
英語で説明するのが難しいらしく
突然、会場の片隅からホワイトボードをガラガラと出してきました。
そしてホワイトボードに
いくつかの丸を書いて、組織名を記入したうえでいくつかを指さし
Momentum, momentum
と彼が今「活動的になっている」と思う組織を挙げていました。
自分の英語力がどう思われる、といったことは一切気にしてない様子で
とにかく出来る方法で伝えようとするその姿は忘れられません。
そのとき同行していた日本人の同僚が
自分は話に入れないので、参加を取りやめて日本に帰りたいと漏らしていたのとは対照的です。
英語で仕事をするときに大切なのは
自分の英語力そのものではなく(あくまでコミュニケーションの手段)
周りにどう思われるか気にすることでもなく
決定や、進行に必要だと思う自分の考えや意見を
ハッキリと主張するという行動そのものではないでしょうか。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。