服装のカジュアル化が進んだり、コワーキングスペースで仕事をする人が増えるにつれて毎日何を着ようか?迷う方のための記事です。
目次
仕事着のカジュアル化は生産性をあげるのと人材確保のため
夏場のオフィスでカジュアルな服装OKにしている企業が増えてきました。
蒸し暑い日本の夏を快適に過ごして仕事の能率を上げよう。という目的だったり、優秀な人材を採用するためにリラックスできる職場環境をアピールしようとする企業もあるようです。
きちっとしたスーツとネクタイ着用以外のややカジュアルな服装がオフィスで見られるようになったのは1990年代初頭。
当初はカジュアルフライデーという名称で金曜日に限り、一部の外資系企業に導入されました。
それが楽しみでカラフルなシャツを毎週着たものです。
そして「カジュアル」と言っても実際には「ビジネスカジュアル」という縛りがあり、私自身も当時在籍していた会社の「ドレスコード」作りを任されました。
それ以前、90年くらいまでは仕事のときはビジネススーツを着用。休みの日はジャージ。という男性が多く、突然「ビジネスカジュアル」といわれても「何を着たらいいの?」という男性が多かったようです。
そしてゴルフウエアを着ていた方が少なからずいました。
でもそれから30年近く経った今では、職場でスーツ以外の洋服を切ることも浸透して来て、おしゃれを楽しめる人が増えましたよね。
日経新聞でも土曜版の別紙で夏場の男性のおしゃれ特集を組んだりしています。
とはいえ、営業職の方などはお客さまにお会いする関係上、あまりカジュアルすぎるものは敬遠されるようです。
ネクタイを外しても、ジャケット着用の方が多いですね。
職場にジャケットを常備しておいて、通勤はシャツだけという楽に過ごすための工夫も見られます。いわゆる「おきっぱ」だそうです。
ただし訪問先では先方から「どうぞ上着をお取りください」と言われない限りは暑くても我慢してジャケットを着ているというのが現状。
「カジュアル」の段階
さて、さきほどカジュアルフライデーが90年代初頭に始まったと書きました。
導入当時は総務や人事の人が慌ててドレスコード(服装基準)を決めたようです。
仕事着のランクってフォーマルからカジュアルの順で主に以下の4~5段階があります。
分類の仕方によってはもっと細かくなりますが、業界によっても感覚が違うのでおおよそ4つに分けました。
トラディショナル・ビジネス(またはビジネスフォーマル)
男性:
ウール地でベーシックな色のビジネススーツ、シルクのネクタイ着用。
シャツは白か淡い青(ピンクが許される職場あり)、品質の良いベルトと、それにあった革靴。
女性:
スカートまたはパンツのスーツにブラウス。ストッキング着用。先の閉じたヒールの革靴。
バックストラップは禁止。→ これは日本では割と知られていない。
更に伝統を重んじる大手外資の金融企業で保守的な会社は女性のパンツ、キュロットを禁止していました。
IT系の女性社員は机の下にもぐって作業をするときなど苦労してたようです。
また秘書の場合は一般的にドレス(ワンピース)を着用。ビジネス系の職種とは一目で違いがわかるようになってました。
スマートビジネス(→ 今、この分類は消滅過程)
トラディショナルビジネスより少しだけカジュアル。男女ともタートルネックを着てよいのがトラディショナルとの大きな違い。
男性:
スポーツジャケットにネクタイ、きちんとしたパンツ(チノパンなど)、ボタンダウンシャツ可能。革靴。
女性:
ジャケットまたはドレッシーなセーター、きちんとしたパンツかスカート(ウールやコットン素材)、ブラウス、シャツ。
ストッキング、革靴着用。バックベルトの靴はここでもまだ不可。
ビジネスカジュアル:
ジャケットなしでタートルネックという点でスティーブ・ジョブスはこれに該当。
上記のスマートビジネスをすっ飛ばしてトラディショナルの次がビジネスカジュアルになってきていますね。
男性:
チノパン、襟付きシャツ、セーター、ベスト、革靴。
女性:
きちんとしたパンツ、スカート、ブラウス、セーター、ベスト、革靴(ミュール、バックベルト、ブーツ不可)
でもきちんとしたパンツは昨今のゆったりシルエットの流行で規制が緩くなっています。
カジュアル
男性:
カジュアルパンツ、ジーンズ、シャツ(襟なし可能)、セーター、ベスト、スウェットシャツ、
サンダル、スニーカーとスポーツウェア
女性:
カジュアルパンツ、同スカート、ジーンズ、ブラウス、セーター、ベスト、スウェット、
サンダル、スニーカーとスポーツウェア。
そして珍しいところで
スーパーカジュアル
日頃の職場を離れて郊外のホテルやリゾート地での会社のイベントなどでならOKなレベルのカジュアル。
ほぼなんでもありのレベルです。ただし肌を見せすぎないこと。
男女ともに Tシャツ、ビーサン(Flip-flaps)、パーカ(Foodie)
ドレスコードの取り入れ方からキャリア志向が見える
これだけ自由なようでいて実は英語圏の職場のドレスコードには服を「着る」という以外に他の意味があると言われています。
それは「今の自分の仕事に相応しいもの」を着るのではなく「自分が就きたいポジションに相応しいものを着る」傾向があるということ。
つまりセルフブランディングの道具のひとつとしての装いです。
周りから、あの人は一つ上のポジションに相応しいと思われるようにイメージを植え付ける。といったら言い過ぎでしょうか。
だからこそ、職場のマネージャーは自分の部下たちより、一段階だけフォーマルな服装をしていることが多い。
中には1年中、かたくなにスーツで過ごす方もいます。
そうそう、パワータイ。という言葉があります。
勝負下着(!)と同様、結果を出したいプレゼンや交渉事に臨む日にする黄色いネクタイのことです。
政治家の方やビジネスマンでこれを取り入れている方を見かけたことないですか?
また、ネクタイと言えばジョーク好きなアメリカ人の職場ではこんなイベントがありました。
キャリアラダーの緊張感の中の息抜き
“Ugly Tie Contest” アグリータイコンテスト
(醜いネクタイ競争)
という言葉を聞いたことがありますか?
1年に1日、この日は自分が一番みっともない、ダサいと思うネクタイを着用して来ます。
おかしなイラストが描いてあったり、色の組み合わせがサイケデリックだったり。
そしてその日の終わりに誰が一番ダサかったか投票して優勝者には賞品を授与する。
常に上を目指して競争する。服装もその手段にするといった緊張感のある毎日の中で、ちょっとジョークを入れて息抜き。
そんなところでしょうか。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。