こんにちは。
英語が変わると仕事も変わる!
「英語ビジネスコミュニケーション術」の河野木綿子です。
記事の最後に10月30日にリリースされた私の2作目のUdemyの英語学習動画のご案内がありますので、お見逃しなく。海外の人と仕事をする方のためのコミュニケーション術についての動画です。
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この記事は日ごろから英語に熱心に取り組んでいるのに、なかなか話せるようにならない方のためのものです。
独立開業して英語のビジネスコミュニケーションを教えるようになってまもなく8年経ちます。
個人指導がメインですから卒業生の数は50人くらいでしょうか。
でもアメリカンクラブで登壇するような公開講座、ワークショップ、オンラインセミナーを含めると恐らく数百人の方に仕事で実際に使える英語と、その日英の文化的背景の違いについてお伝えしてきました。
今日はその中で気づいた英語で話せるようになる人と、ならない人の徹底的な違いについて3種類の人たちをご紹介します。
初めにせっかく英語学習をしているのにもったいない。という方の例。次に日本人によくあるパターンに自ら気づいて改善に向かった方の例、そして最後にどんどん進歩し続ける人のことをお話しましょう。
目次
とても残念な人達: そもそも話したい内容がない
私が開業後2, 3年以内に担当した生徒さん2人のことを今でも覚えています。
お2人に共通しているのは相手に伝えたい内容がない、もしくは決められないという点です。
1人目は当時まだ私が教えていた一般英会話に熱心に取り組んでいた方。毎週土曜日の午前中に片道1時間近くかけて私の自宅まで通ってくださっていました。
英語を発話するのは今までしたことがなく、Our という単語をオウルと発音して私をびっくりさせた方です。
自分が発話したことがない、と気づいたおかげでとても熱心に日々の発話練習、そして英語の3行日記を書くことを欠かしませんでした。
あるとき「ホテルが会場の大がかりな英語の交流会にでます!」と嬉しそうに教えてくれたので次の週末「どうでした?どんな話をしたんですか?」と私から前のめりに聞いてしまいました。
すると。。。
「だれともなにも話せませんでした」という意外な返事が返ってきました。それを聞いて何が起たのか?と不思議で残念な気がしたので
「あら、どうしちゃったの?本当は話せるのに」と聞いたところ
「話そうとしても何を話したらいいのかわからなくて。。。」とのことでした。
そしてもう一人、本当に残念で予め話題を決めるように促しておけばよかったというケース。
ある超大手企業の広報室にお勤めの方でした。
仕事で海外から超大物人気サッカー選手を製品ブランドのキャンペーンのためにお招きして、彼の日本滞在中、ランチをご一緒する機会に恵まれました。
ランチのことは後から話を聞きました。仮にサッカー選手をNとしておきましょう。
彼を含めて6人でビュッフェ形式のランチだったそうですが、それころ息遣いが分かるくらいの距離でおしゃべりをしながらランチを食べた。
ところがその方は一言も。。。一言もNと言葉を交わせなかった。目の前にいて一緒にランチを食べているのに。
その原因も「緊張して何を話していいかわからなかった」でした。ご本人が自分でも残念がって話すには「小学生の息子がサッカー好きでクラブに入っているのだから、その話をすればよかった」とのこと。私もその話を聞いていてこぶしを握り締めるくらい残念な気持ちになりました。
事前に分かっていたら息子さんのサッカークラブでの活動の話について話す練習が出来たのに。。。
当時Nの写真を使った製品のポスターが地下鉄の車内広告として張り巡らされていたくらいの人気選手だったのです。
英語も日本語と同様、相手に何かを伝えるための言語です。日ごろは練習文の発話練習をしたり、自分で作ったりしていれば「言葉はできる」ようになります。
でも相手がいる会話だと「伝えたい中味」「話したい中味」がないと話せないのです。
「残念な人」にならないように気づきがあった人
この方は法人契約の方で1年間会社訪問のレッスンでご一緒した方です。
英語で話したい!という強い憧れがあって、Steve Jobsの有名なStanford Uni.の卒業式でのスピーチを丸暗記して披露してくれたり、毎日の課題も欠かしませんでした。
(私の生徒さんは熱心な人が多いです。ありがたいことに)
顧客を想定してのシンプルなプレゼンもできるようになって、最終回のとき感想を聞いてみました。
「この1年を振返って自分ではどんな気づきがありましたか?」
するとその答えは。。。
「英語って自分の意見がないと話せないことに気づきました」
おおおおお、そうなの?私にとっては想定外。優秀な営業職のその方からは英語学習上の発見が聞けるかな?と思っていたのですが。
でも「意見がないと話せない」ことに気づいたほうが深みがあるかも。
その方いわく
「今まであまり自分から意見を言ったり、考えたことがなかったことに気づきました。
いつも会社の方針とか、役員や上司の意見に合わせて話すようにしていました。
でも英語で話すときはその場で自分の言葉でまとめないといけない。そして主語を省略しない。動詞を選ぶ。大きな気づきがありました」
1年間のレッスンをプレゼンの実技で終わってからその方とご一緒する機会はありませんが「自分の意見をもつ」習慣が出来て英語を使う場面でも活躍されていることを期待しています。
自分からどんどん伸びていく人
私のレッスンのスタイルは週に1度の対面トレーニングと毎日の自主トレ(課題)がメインです。
そしてこのタイプの人は私がときどき自主トレの課題を具体的に出し忘れても、今の自分の英語力を補うような課題を考えてやってきてしまう。
というくらい積極的です。
マネージャー職向きのプログラムを取っていてすこしフォーマルな表現を使う練習が多いです。
でもレッスン開始時のSmall Talk(お互いのテンションを調整するためのたわいないお喋り)の時の話題が、ほぼ例外なく小学校1年生のお嬢さんの話。
「週末一緒に公園に行った」
「今日は小学校の遠足なのでお弁当をつくって持たせた」
いつも出て来るMy daughter で始まる話題。10分くらい平気でおしゃべりが続きます。
完璧な英文ではなくても、あとからあとから話題が付きません。その方くらい伝えたいことがあると話に詰まることはありません。
お陰様で今ではその方の家族状況、ご親戚のメンバーまで私は知っています。ただ旦那さんのことが出てこないのがちょっと心配。在宅勤務中のレッスンなので背後に旦那さんの声が響いていることがあって、ご健在なのはわかっているのですが。
この「自分からどんどん伸びていく人」は一番初めにご紹介した「そもそも話す内容がない人たち」と真逆です。私に自分の大切なお嬢さんのことを話したくて仕方がない。話題が尽きない。
その方とご一緒していると、伝えたいことがあれば多少の文法の間違いがあっても、途中で単語が出てこなくても、自分が言える言い方でどんどん発話できてしまうということを目の当たりにしています。
まとめ:日々の小さな「目標達成」で進歩する
英語が上達する人には学習するための強い動機、必然性があります。
その動機とは「できないままだと大変なことになる!」という問題解決型から、「こうなりたい!」という願望型まで人それぞれです。
いずれにしても「伝えたい内容」「伝えなければならない内容」があってこそ日ごろの努力の積重ねが「話せるようになる」という果実を結ぶのだと思います。
お仕事で英語が必要な方は日々の会議の前に「その会議の中で自分がなしとげないといけないことはなにか」いわゆる「落としどころ」を見据えて
それを手に入れるための英語表現を予め準備しておくことの積重ねで仕事の英語が確実にできるようになります。
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