効果が出ないのは自主トレをしないから
私がビジネス英語パーソナルトレーナーを始めて2年目ごろの話です。
レッスン料が半額会社持ちのクライアントさんがいました。
私が週に一度、職場に伺っていたのですが普通なら3ヶ月目に入ると始まっていいはずの変化がまったく見られません。
ある時、時間に職場に伺うと
「少し待っててください。今、先週の課題をやってますので」
と言われました。
あれっ?毎日練習する事になっているのに。と、異変に気づいたのはその時です。
そのときまで気づかず、放置していたトレーナーの落ち度ですね。まだまだ未熟でした。
その方の性格も把握して対策をするべきでした。
毎日やった事をメールで報告してもらうという厳しいルールはやっていなかったところ
レッスンの後で復習練習することもなく、課題は次のレッスンの直前にやっつけ仕事のようにやっていたそうです。
大人の英語学習はリアルな設定での練習が必要
子供は赤ちゃんとして生まれてすぐに特定の言語を認識し始めて、9ヶ月くらいからは周囲の大人から自分が発する特定の音に反応があることで言葉を習得していくそうです。
(引用元:『毎日の英速読』R. Vardaman)
いっぽうで大人の場合、周りの人からの反応で音を言葉として認識するようになるのではなく
覚えたい言葉を選んだら自分のリアルな状況に置き換えて自分で作文して
前後の文章の意味(コンテクスト)の中で覚えるのが記憶の定着のコツです。
リアルな状況設定だと、イメージとともに記憶に残るからです。
また、どんな時に使うのがふさわしい単語なのかも忘れません。
例えば私が覚えにくかった単語を覚えた例ですが;
stigmatizeという他動詞があります。「軽視する、軽んじる」という意味です。
この単語を覚えるときに作った文章は
“Art and music were stigmatized in the curriculum at my high school.”
という文章です。
私は実は美術と音楽が好きで子供のころから物を作ったり楽器を演奏するのが楽しみだったのですが
私立の高校に入ったら美術がなく、音楽は歌を歌うだけの授業でした。
そのころのガッカリ感を思い出しながら先ほどの例文を作りました。
おかげで Stigmatize は高校時代の音楽室のイメージと、がっかりしたという感情とともに、すぐに思い出せます。
名詞ならその前にくるのはどんな動詞がふさわしいのか(コロケーション)も身に付きます。
なるべく早く実際に使う
そして、単語の音(アクセントや発音)が分かって、口が動くようになったら
なるべく早いタイミングで実際に使うことです。
実際に使うことで、その単語を使った時の自分の感情や相手の反応という情報が心の中に残ります。
それだけ、思い出すためのトリガー(きっかけ、引き金)が増えるのです。
大人の英語習得に必要なのは
① リアルな設定で
② 感情やイメージを伴ってインプットして
③ なるべく早く実際に使うこと。
そしてなかなか音が覚えられない時は Post itに書いて、毎日目が行くところに貼っています。
ベストセラーの英文集を丸暗記しても応用は聞きませんし、そのうち忘れることが多いですが
この方法だと定着率が高いです。