これは英語で仕事が出来る上司が部下を海外からのビジターに紹介する際、仕事が上手くいくためにも絶対に気を付けて欲しいことをまとめました。
英語が仕事の共通語
今や、取引先やプロジェクトメンバーとの共通語が英語ということが珍しくなくなりました。
日本の小さなメーカーやショップもインターネットの発達でホームページからお問合せが入り
海外と取引が始まるということは日常茶飯事。
「仕事の共通語は英語」という新しい波にさらされています。
私が以前、仕事で出入りをしていた自動車業界の老舗メーカーの開発部門の管理職のみなさんから
直接聞いたところでは
「自分たちはね、30年前に入社したときは英語、要らなかったんですよ。
それなのに今はアメリカ連邦宇宙局の人と電話会議、あるんですよ!
すっごいストレスなんです」
だそうです。
世の中が急激に大きく変わりました。
今では当たり前に新しいプロジェクトが発足時や、M&Aで海外企業と一緒になると
相手方の同じ部署からビジターが来て顔合わせのミーティングをします。
直接、顔を合わせることもあれば、このご時世ですからオンライン会議のこともあります。
そんな時、もしあなたが上司で、自分の部下を紹介する時に絶対に避けたいのが
「笑いを取りに行く」ことです。
「えっ?外国人の偉い人が日本に来た時、自己紹介で笑いを取っていましたよ」
と言う声が聞こえてきそうですが、それは自分のことで笑いを取っていたはずです。
例えばアメリカ南部のアクセントが強い
VIPの方が
I hope everyone can understand my English.
皆さんが私の英語、解るといいですが。。。
これはオーストラリアからのビジターもやっていました。
自分のオーストラリア訛り、オージーイングリッシュを逆手にとった自虐的なジョークです。
そして、たいてい周囲の笑いをとります。
部下を紹介するときは褒める
一方で気を付けたいのが部下を紹介するときです。
部下をどう紹介するかは上司としての力量の見せ所です。
日ごろから部下の長所を引き出してチームのパフォーマンス向上に活かしているのが優秀な上司。
だから多くの外資系企業では、管理職がコーチングのスキルを身に付けます。
であれば部下を紹介するときは部下ひとりひとりの
長所、得意なこと
日頃のハードワーク、チームへの貢献への感謝
がみんなに伝わる紹介をしたいもの。
これができれば相手方はあなたに対して「優秀で配慮のある上司」という印象を持ちます。
例えば普段からおとなしくて発言が少ないKazuさんが統計解析が得意だったら。
Kazu is an expert in dealing the statistical data.
We can’t live without him.
Kazuは統計データの処理が得意で、私たちは
彼なしではやっていけません。
Expert って大げさじゃありませんか?
って思うかもしれませんがすごい学位を持っていなくても、得意で、周りの役に立っているなら
Expert と言ってあげましょう。
ウソはいけませんが「盛って褒める」くらいがちょうどい。
絶対避けたい「部下をいじって笑いを取ろうとする」
逆に絶対避けたいのが部下の失敗や性格の特徴を取り挙げて笑いを取りにいくという紹介の仕方。
文化が違いますから、私たちにとって楽しい笑える話でも海外からのビジターにとっては眉をしかめる内容ということもあり得ます。
これは実際に聞いた話ですが
外国からのビジターに部下を紹介するときにこんな話を披露した上司がいたそうです。
Sakaguchi-san likes drinking very much.
He sometimes gets home drunk and
locked out of his house by his wife.
「坂口さんは大のお酒好きで
たまに酔っぱらって帰って、
奥さんに締め出されます」
でも
外国人ビジター達は、し~~んとしたそうです。いわゆるドン引き状態。
この話をしてくれた方も「そういう話って外国人にはウケないみたいですね?」
となんとなく気づいていました。
日本人同士で和気あいあいとした雰囲気の時なら
「坂口さんって、おもしろい!」
「怖そうに見えるけど、かわいいところあるんだ?」
と笑いがとれるかもしれません。
でも特にアメリカのビジネスパーソンは
お酒の上の失敗にはあまり慣用ではありません。
(イギリス人はそうでもない人が多いですが)
お酒 = アルコール = 薬物
なんですね。
お酒を飲んで失敗した話はウケないと思っておいた方がいいです。
文化の違いがありますから日本人にはおかしくても
外国人にとっては えっ????と思うようなこともあります。
彼らは心の中で
「アルコール依存症の部下も困ったものだけれど
そんな話を初対面でみんなの前でするなんて上司としてどうなんだ?!」
きっとそう思いますよ。