英語が変われば仕事も変わる  製薬業界が得意です (月曜休)

ボスキャリで席とりのために置いたポーチをなくした

これは海外で仕事をしてみたい人のための参考程度の記事です。英語そのものについてというより異文化体験の話です。

初めてのアメリカ横断 採用旅行

先日Twitterを見ていたら #ボスキャリ という言葉を見つけました。

ボスといえば上司?と思って写真と文章を見たところ ボストンキャリアフォーラムのことでビックリ!

今でも続いているようです。

私が大手製薬会社で海外採用プロジェクトを担当していたのは今から15年も前のこと。

海外でMBA課程にいる日本人が卒業したら当社に入社してもらうというのが目的です。

2週間の日程で西海岸の個人面接会を出発点に、終着点は東海岸のボストンキャリアフォーラムという旅程表。

途中でNYCの本社に寄り道して人事のマネージャーさんたちと初ミーティングをしました。

その場で指名され、「日本の人事の仕事の中で新卒採用は他国に比べて特殊」という話をしたことを覚えています。

特殊な点として挙げたのは

> インターネットを使うこと

> 各社一斉に行うこと

> 大学卒業後、すぐに企業に就職するのが大多数であること

の3点です。

入社後の教育も大企業だと手厚いのでお金も時間もかかります。

競合他社の動きに目配りしながら

出遅れないように

かといって急ぎ過ぎてルール違反はしないように

という話も付け加えました。

 

他国では学生時代からインターンで知識や経験を積みますから日本の「新卒採用」は全く想像外のことだったようです。

 

その後、いわゆるボスキャリに飛びました。

ボストン着陸前に窓から見えた街並みは街路樹がカラフルだったのが目に焼き付いています。

 

ボスキャリのランチタイムで化粧ポーチをなくす

ボスキャリでは(この言葉、ちょっと抵抗感がありますが)、自社のブースに座り、やってくる学生さんたちと略式の面接をしました。

事前に面接の予約をしている人以外に、Walk-in といって、その場でブースにふらりと立ち寄り質問をしてくる人もいました。

訪れる学生さんたちが途切れることはなく、あっという間にランチタイム。そのときです。事件が起きたのは。

6人くらいのチームでみんな一つのテーブルに座ろうと、ランチ会場でテーブルを確保したのです。

テーブルの上に化粧ポーチをポンと置いて。

ところが、ランチをブッフェ形式でとってからテーブルに戻ると、ないんですよ。化粧ポーチ。

持っていかれたら、し、い。。。

 

化粧ポーチなんて持っていても仕方なかろうと思ったけれど、無くなったのは現実。

そういえば、私、ロンドンにいたときも ピカデリーサーカスのBootsの前でスリに遭って

化粧ポーチをを取られたんでした。

日本だと最近ではカフェのテーブルを取るために携帯電話を置いておく人が多いですが

携帯がなくなった話はあまり聞きません。

私も平和ボケしていたようです。

 

すっぴんでブース面接をする

お金の被害はありませんでしたが、問題は翌日からのブースでの面接。

すみませんね、当時、世界最大の製薬会社の看板の下にすっぴんのオバサン面接官。

でも、アメリカだとすっぴんで仕事する女性もいるから大丈夫でしょ?と思っていました。

とはいえ、すっぴんだと気持ちがスカスカして落ち着かない。

ということでランチタイムになるやいなや、会場のドームの中央玄関に出てタクシーを拾い、

「街のセントラルにいってください!」と車を飛ばしました。

 

Could you take me to the drug stores that I can buy cosmetics?

化粧品を買えるドラッグストアに連れて行ってください。

 

頭の中にはメイベリンあたりを思い浮かべていました。

女性ならご存知かと思いますが、それほどお高くなくて、一通りそろうブランドの代表格。

昼間だけど平日なので静かなダウンタウンのドラッグストアに乗りつけてもらい

タクシードライバーに

I’ll be back in 10-minutes

10分で戻るから

と告げて、店に入りあっという間にお目当ておcosmeticsを買いそろえると車に戻りました。

 

野球嫌いのタクシードライバー

化粧品なくして急いで買わないといけない。

という事情を話したからなのか、行きとは違い打ち解けてやたらと話しかけて来るタクシードライバー。

そのあとは自分の話が止まりません。

親の代が中東からのアメリカへの移民だと話してくれました。

 

延々つづく話の中にはこんなのがありました。

 

「マダム、野球は好きかい?俺は嫌いだね」

「球場のマウンドって選手にとっては神聖なものだろ?」

「でもピッチャーは唾をはくよな?」

「だから野球は嫌いだ」

 

私は日ごろから日本でもタクシードライバーさんとはいろんな話をするほうだと思いますが

この時の「神聖なところで唾を吐く」という話はガラガラに空いた平日のドライブウェイの風景とともに

鮮烈な記憶として頭に焼き付いています。

 

日本でも野球選手やラグビーの選手がお水をこぼしながらがぶ飲みしていますが

あのタクシードライバーが見たらどう思うでしょうね?

いろいろな価値観があるアメリカでの思い出。

 

席取りのためにポーチを置いたら取られる

アメリカ人がみんなベースボール好きかと思えば

唾を吐くだけで神聖なものを汚す と怒っている人もいる。

で更に、それを会ったばかりの東洋人の乗客にオープンに話す。

 

これも私にとっては異文化体験でした。


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