この記事は「私が英語が話せないのは英単語がたりないせいだ」と勘違いされている方のために書きました。
目次
語彙を増やせば英語が話せるようになるか?
クライアントさん候補の方に初めてお会いしてお悩みを伺っていると「私が英語を話せないのは英単語の数が足りないからなんですよね」と自分で原因を決めている方が少なくありません。
はたしてその自己診断は正しいでしょうか?
否、ほとんどの場合は言い訳です。きつい言い方になってしまいますけれど。
今、英語が話せないことに対して、自分を許すために原因を特定して、まだ話せなくていいんだ。と自分を許しています。
本当は今すぐ話す練習に取り掛かったほうがよいのです。
もし英単語をたくさん知らないと英語を話せないなら例えばネイティブのお子さんたちも英単語を増やしてからでないと周囲の大人たちとやり取りができないということになります。
専門的な分野の会話では確かに専門用語(technical terms)と言われる英単語が必要な時があります。
でも多くの人が陥りがちなのは「〇〇って英語でなんて言うんですか?」という「たった一つの正解探し」です。
そうなると、すぐに単語が出てこないのは語彙不足だからと思い込んでしまいます。
でも実は言葉も文化も違う日本語と英語の間では 日本語のこの単語は英語ではこう言う というのは少ないです
となると「どう説明したらこちらが頭の中で描いていることが相手に伝わるか」という工夫、つまり説明をしたほうがよい。
こちらでやっと探した英単語を相手が知っているとも限らない。
例えばコンビニでおでんを買ってきて一緒に食べようよと、相手を誘いたいとき。
電子手帳に「おでん」と入力して「英語でなんて言うんだろう?」と探してしまう。
でもおでんって「コンビニのカウンターに置いてある、鍋にいれられてほやほやと湯気を立てている食べ物」と説明すれば、日本にしばらく住んでいる外国人なら
ああ、あれね!
と心当たりがあるはず。
Oden is hot food during winter season.
They are soaked in the soup at the counter of the convenient stores.
私まだ単語力が足りないから話せないと思っている人に伺います。
あと何語くらい英単語を暗記したら話せるようになるのでしょうか? 何冊くらいベストセラーの英単語帳を暗記したら話せるようになるのでしょうか?
赤いシートを使った英単語の勉強法、電車の中でよく見かけます。
シートを頁に被せて英単語→日本語の意味を繰り返し確認するという方法が一般的です。
でも、話せるようになりたいから英単語を増やすんですよね? 英単語を見てわかって、それで話せるようになりますか?
話すために一番効果的な学習法は?
そう、話すためには何よりもまず口に出してその単語を言えること。
テストの点数が上がっても話せるようにはなりません(読解力はあがります)。
逆に、言われたときに聴き取れ、瞬時に頭の中に相手の口にした単語がイメージを結ぶことです。
ここで大切なのは単語を「イメージで思い浮かべられるようになること」
鍋 = Pot ではなく、持ち手の付いた調理器具の絵が頭の中に浮かぶこと。
これを 鍋 = pot 名詞
と文字で暗記してしまうと話すときに一語、一語、一文、一文ずつ翻訳をする習慣になり勝ちです。
実際の会話では意思の疎通、感情の動きのほかに翻訳作業という手間が増えます。
当然、会話のスピードにはついていけなくなります。
単語を見て意味がわかるだけでは発話できない
自分が話したい話題に必要な英単語を覚えるときに一番大切なのは正しい位置にアクセントを置いて発話練習することです。
なぜならアクセントの位置がわからない、または間違って覚えると
① 言われてもその単語だとわからない
② 自分が口にしても相手に通じない
という、「やっぱり話せない」「通じない」という、英語が話せないと思っている人が一番恐怖を感じることが起きてしまうからです。
コロケーションと一緒に覚える
コロケーションとは分解すると co とlocation と書けるように
一緒に使い勝ちな相性のよい、単語の組合せのことです。
ネイティブの方なら この名詞の前にはこの動詞を使うのが自然という組合せ。
例えばプレゼンをするなら give a presentation,
調査を行うなら conduct a survey, conduct researches
データを編集するなら compile the data
という具合です。
この組合せが当たり前に何も考えずに口からすらすらでてくるには
口に出して話す前にこんな練習が必要です。
① 辞書で調べてどんな場面で使う単語か確認する
② 辞書に載っている例文を確認してコロケーションを調べる
② 正しい位置にアクセントを置いて発話練習して「口に馴染ませる」という
地道な練習を繰り返す
口を動かす練習をしておけば本番で口からでる
「あ、この単語の意味、知ってる」
と、そこで満足してしまう人も話せるようにはなりません。英単語帳の〇〇シリーズ、全部やりましたよ。という人が当てはまります。
知っていることと、それを使えることの間には超えないといけない大きな溝があります。
たとえば。ゴルフの練習。
ビデオを観たら、イメージを頭に取り入れて「実際に体を動かし練習する」ことで初めてできるようになる。
観ているだけでできるようになるなら、楽なもんです。
だいぶ長くなってしまいましたが、単語をやみくもに増やすまえに
実際に使うものに絞って、自然なコロケーションで発話練習するのが
近道だと思います。
自社製品やサービス、病気の話など専門用語でないと伝わらない単語を
調べて練習するのはそのあと。
通常のビジネスや、街角で困っている外国人に手を差し伸べるのに必要な英語は
必ずしも この日本語ならこの英単語 と1対1で訳して話すのではなく
私が相手に伝えたい内容は「こういえば伝わるかな?」を知ってる単語を組み合わせて話すのです。
私はバイリンガルですがネイティブの英語力には程遠いです。
話すときに英語が自然と降ってくるわけではなく常に試行錯誤をしています。
ただし、その試行錯誤は長年の蓄積のなかから言葉や言い回しを選ぶので
辛いというよりは、むしろ楽しいですよ。
仕事に使う専門用語は何から学ぶ?
仕事で話す内容は、日本語ならすらすら出てくる人が多いかと思います。
初対面の人と話すとしたら
自己紹介とそのあとに会社概要、会社の歴史やミッション。提供しているサービスについて話すことが多いでしょう。
会社についてどう説明するかは
自社の英語版パンフレット、自社・競合他社の英語版ホームページからたくさん拾えます。
この時も 製品の用途、動きを表す表現 などはコロケーションの一種なので組合せのまま口に馴染ませれば使えるようになる。
自社のホームページの英語版、競合他社のページを見ると、「あ、これ実際に使えそう」という名詞と動詞の組合せ(先ほどのコロケーション)がたくさん出てきます。
それを口慣らしします。
このやり方のほうが、仕事と関係のない単語集に赤いシートを被せて通勤電車の中で繰り返すより、よほど短期間で確実に頭にはいります。
普段から知っている製品やサービスに関する単語、言い回しですから、すでに頭の中にイメージがあるからです。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
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