この記事は英語学校のレッスンを受けたり、オンライン英会話を何年もやっているのに英語で仕事ができるようにならないとあきらめかけている方のためのものです。
手広く何もかもやるのは無駄
もしあなたが仕事でどうしても英語が必要になったとしたら、何から始めますか？
TOEICの受験対策？
それも基礎力を付けるのに良いですね。
確かにTOEICが高得点の方は読む・聞くの能力が高い方が多いです。
でもTOEICが900点代でも英語が話せない人、英語で仕事ができない人はいらっしゃいます。
それからボキャブラリーを増やす。
これも賛成です。
ただし基礎的な動詞を習得して、文法の基礎を固めたら仕事に使うボキャブラリーだけでよくないですか？
使う機会のない単語を一生懸命覚えて、発話して、聞き取れるようになっても出番がありません。出番がなくて使わないとそのうち忘れてしまいます。
忙しいビジネスパーソンが時間をかける内容としては時間も労力ももったいないことになってしまいます。
まずは今日、明日必要な単語と表現から
2018年に出版した拙著『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』（すばる舎）では忙しいビジネスパーソンのための英語学習のヒントをたくさん取上げています。
この本のPart 2では「自分に必要な表現から」「自分単語帳をつくろう」「自社の英語版ホームページは宝の山」など目の前の仕事に必要な英単語や英語表現に特化して学ぶことをお勧めしています。
市販のベストセラーの単語帳は『〇〇にでる』がうたい文句であれば〇〇の試験を受ける方にはお勧めします。
でもあなたの仕事を英語化するには回り道になってしまう可能性があります。試験にでる単語、イコール仕事で使う単語とは限らないからです。
ところで、回り道をしないことの他に、
自分の仕事の英語化は仕事の担当範囲が狭ければ、それだけ必要な英語の範囲も狭くなります。
そうなると担当業務がまだあまり広くないうちに自分の仕事の英語化を始めると楽です。役職がつく前に始めてしまうことです。
仕事の幅、難易度と英語は比例する
私がビジネス英語のパーソナルトレーナーを始めた同じころに、会社を定年退職してから同時通訳デビューされた方がいます。
「モコちゃんパパ」という名前で同時通訳になるまでの挑戦の日々についてアメブロを書かれていています。
本のタイトルは『英語が話せない、海外居住経験なしのエンジニアだった私が定年後に同時通訳者になれた理由』というドラマティックなものです。
ご本名は田代真一郎さんとおっしゃいます。
この本のプロローグの中で田代さんは「英語コミュニケーション力は英語力と（仕事の）知識の掛け算」ということを書かれています。
「若いころの自分は仕事の知識も少なく、英語力も低かった」と英語ができなかった頃のご自身を振返られています。
私も26歳のときに英語だらけの職場に事務員として飛び込んで仕事の英語化を始めました。仕事自体が単純ですし、自分には専門知識もなにもない時代でした。
仕事の幅があまり広くなく、難易度も低いうちに英語化を始めると必要な単語の数や表現の数が少なくて済みます。
英語表現さえ覚えてしまえば、目の前の仕事を時間を掛けずに英語でできるようになりました。
文法は必要なときに必要なことだけ覚えて使う
自分の目の前のことから仕事の英語化をするといい。という話をここまでしてきましたが、
「それでは文法はどうしたらいいですか？」という声が聞こえてきそうですね。
文法は独立してやるのではなく、これも英単語と同様、使うものから復習していきます。
＞ このことを説明するのには「過去形」が必要。となれば動詞の過去形を復習する。
＞ これからの予定を説明するときは be going to だ。
こんなふうに事前に準備して実際に仕事の中で使えば一度で覚えます。この切迫感が忘れないカギなのです。
使う機会のない、単語や表現は忘れてしまいますが必要に迫られて覚えたものは忘れないものです。
その英単語、表現を使った場面まで忘れません。
仕事を英語で出来るようになりたい！と本気で思ったら、ぜひ目の前のことから始めてください。
河野木綿子のホームページはこちら
河野木綿子のナマ英語がたくさん聞けます。どんな雰囲気の私か見てみてくださいね。
Episode #27: 外資系裏技インタビュー「採用インタビューにうかるコツ」
イギリス人サラリーマンでお笑い芸人、俳優でもあるBJ Foxさん、東大卒・マッキンゼー出身のお笑い芸人、石井てる美さんの楽しくて役に立つPodcast。おススメです。ちなみにFoxさんは昨年のNHKドラマで木村佳乃さんのイギリス人旦那さん役を演じていた人。
