おはようございます。
TOEICなど英語のレベルチェックテストで平均点を超えてきたのに、口から英語が出ない、頭が真っ白になって何を言うつもりなのかわからなくなる。その結果、外国人の話を首を縦に振りながら聞く側に回ってしまいがち。というお悩みを持つ方のために、それを脱するためのヒントをまとめてみました。
話せるようになるための大原則、これさえ押さえれば初めの一歩を踏み出せるかもしれません。
英語を読んでわかる、文法も基礎固めできているのに口が開かない
今まで多くの社会人の方と英語のトレーニングをしていて気づいたことがあります。言葉に詰まったときにありがちなボディランゲージ。
男性は腕組みをして天井を見つめる。女性は座りながら姿勢を正して目をぱちぱちさせながら壁を見る。英語で質問されて言葉に詰まったときの共通ボディランゲージ。
日本人以外の人がやっているのを今まで見たことがありません。
その固まる理由をご本人たちに聞いてみたところ。。。
目次
言いたいことが決まっていない。話題について知らない
ごく最近のことです。私のクライアントさんの一人が家族で新年に食事会をした。という話をしてくれました。
何かお祝い事ですか?と聞いたら、「父の還暦祝いです」ということでした。
おお、還暦。
中国と日本にしかない東洋の暦に基いた話だから、外国人に簡単に説明できたら面白いかもしれない。と思って
What’s 還暦? Tell me about it.
と還暦について話すように話題を振ってみました。
すると「60歳のお祝いです」というので「何をお祝いするのか、どうしておめでたいのか?」と続けて質問したところ
長~い沈黙が。。。
もちろんインターネットで検索するとたくさんのサイトが出てきて、還暦とは干支が5回、まわって赤ちゃんに還る年。
戦前の日本ではそもそも平均寿命が短く、60歳まで生きる人が少なかったから長寿としてお祝いする、などなど
たくさんの記事を目にすることができます。
日ごろから外国人にこんな話をしてあげたら面白いかな?というネタ集めをしておくといいですね。
またBBCやCNN, NHK Worldなどのニュースアプリをスマホに入れておくと駅のホームや電車の中で今、話題になっていることを簡単にチェックすることができます。
とかくツイッターやFacebookを習慣的に見てしまう。でもそのうちの3回に1回はトピックやニュースを見てみましょう。
英語は高速でペラペラ話せないと恥ずかしい という思い込み
私のところで新規に英語を話すトレーニングを受ける方に必ず聞くことがあります。
「英語で何ができるようになりたいですか?」
その質問に対して
「流ちょうに話したい」
「役員会でプレゼンができるようになりたい」
「電話会議の司会ができるようになりたい」
といろいろな目標を聞くことができます。それに対して「目標を達成して英語を話している自分ってどんなイメージですか?」と
なりたい自分を映像化することをお勧めしています。
スポーツのイメージトレーニングと同様、それができている自分の姿がまざまざと描けることって、モチベーションの維持にもつながります。
それが実現した時の満足感、快感を脳が擬似体験できるから嬉しくなるんです。
ところが、なりたい自分が英語を話しているイメージで多くの方に共通しているのが
・ ペラペラになる
更に掘り下げると
・ 長い文章で話している
・ 手振り身振りを交えて英語を早口で話している
この二つが、なりたい「英語ペラペラ状態」ということらしいです。
だから長い文章を早口で話せない限り、自分は英語が上手に、かっこよく話せない人。ダメな人。ああ引っ込んでしまいたい。
というコンプレックスの上書きを自動更新し続けていることになります。
ところでノーベル医学賞を受賞された京都大学の本庶佑先生の英語、聞きましたか?
とてもゆっくりでシンプルな英文を、アクセントを正しい位置に置いて話されていました。一度で聞き取れる。誤解しようがない英語。
私も25年間、外資系企業で英語が母語でない外国人と仕事をしてきました。
仕事ができるエキスパット、トップマネジメントの皆さんは必ずしも長い文章を早口で話しているわけではありません。
ポルトガル人の事業部長は英語で言えない単語があると、そこにポルトガル語を入れて話を続けていました。そういう時は今の〇〇ってこういう意味?とこちらから聞いたものです。
(あ、でもニューヨーカーの英語が早口なのはホントです。彼らネイティブですしね)
私の想像ですけれど、どうして長文で話すことを目指してしまうのか?という疑問へのお答えは
受験勉強をしていたころ、長くて複雑な英語は難易度が高い。それは高級な英文。英語を話すならそういうかっこいい英語を話せないとダメ。
という思い込みが出来上がってしまったのではないでしょうか?
実際共通語としての英語を話すときに大切なのはいろいろな英語力の人、すべてに対して話が分かりやすいこと
だと思っています。
だってみんながみんな、ネイティブではないし、コミュニケーションの道具として英語を話しているわけで決して英語の試験を受けているのではないからです。
更に英語が口からでてこない理由の3つめは
どういう順番で話したらいいかわからなくなる
結論から言うと「結論から伝える」「質問に答えることから始める」「理由の説明はそのあと」っていうこの3つができるように日ごろから日本語でも練習しておくと、この状況から抜け出せます。
「あの人の話って分かりやすいよね~」と聞き手が感じるようになります。
でも多くの日本人はこちらの言い分を相手にわかってほしくて
詳しい背景情報から説明しようとします。
そうなると話を聞く側は
「それで、何が言いたいの?」
「あなたが言いたいのはこういうことですか?」と推測して英語で言ってくれる。
という質問をしたくてイライラしがちですが、そういう経験ないですか?
更に日本人って礼儀正しい人が多いですから、お願い事のときは詳しく説明しないと失礼だ。と思っている人が多く、まず説明から入る。
(これ、文章での通達でも初めに「今般のなにがしが。。。。」って説明から始まるものがまだまだ多い)
だから
お願い事は説明から話し始めてしまう。
質問されると、答えを後回しにして延々と理由の説明に入ってしまう(これ、NHKの日曜討論でいつも陥って時間切れになっています)
という迷宮に入ってしまいます。
日ごろから日本語でも結論から伝える。質問に答えてから理由を説明する。
という習慣をつけておくと、「あの人は日本語も英語も話がわかりやすいよね」という評判が立つこと間違いなしです。
話の順番、テンプレートが出来上がっていれば、「何から話そう?」と迷うことがなくなりますので英語のハードルはぐっと下がります。
相手の頭に入りやすい話の順番テンプレート
① 結論
② その理由、背景説明
③ それをやることによる相手のメリット(ここまでできれば完璧)
③についてはまた別の機会にお伝えしますが、①と②で話をする ということをしばらく意識的にすると、英語はもちろんのこと、日本語で話すときも
「話が分かりやすい」
という嬉しい変化が起きてくることでしょう。