これは電話会議についていけないというお悩みをお持ちの方のための記事です。
視覚的情報が少ない
面と向かって話ができれば、英語があまり聴き取れなくても
ボディランゲージ、表情、唇の動きで発言者の言いたいことがなんとなくわかります。
私自身もいわゆるM&Aを繰り返す多国籍大企業にいたことがあります。
電話会議はほぼ毎日、多い時は夕方4時以降、深夜まで1日に合計5つくらいの電話会議をハシゴしながら
国内事業所への出張をこなしていたことがあります。
目から入ってくる話し手の情報がない中で集中力を切らさずにいることの大変さはよくわかります。
本当にリスニング力の不足が原因?
リスニングが苦手なんですね?どれくらい内容が聴き取れていると自分で感じますか?
と質問すると
「事前にアジェンダを読んでおかないと、何を話し合っているのか2割くらいしかわかりません」
おお。
確かにアジェンダを読んでいなければリスニングが得意でも会議のやり取りは日本語でもわかりませんよ。
でもわからないままで黙ってヘッドセットをして座っていてはまずいです。
電話会議にでるとき、私たちには;
・ 日本組織の代表として出席している
・ 決定事項が日本組織の社員の今後に影響する
という大切な役目があります。
電話会議で決定したことは効力がありますので
あとでメールして特例を認めてもらおう というのはほぼ無理です。
電話会議は決定の場であり、
主催者にとっては「会議の後で面倒なことを言ってくる人」というネガティブなイメージを持たれます。
更に事後にメールで連絡して結論が覆ることはありません。
プレッシャーを軽減する3つの事前準備
実は顔を合わせて参加する日本語の会議でも
事前に資料に目を通して準備しておかなければ
「内容がわからない」は日常的に起きているはずです。
資料全てに目を通しておく必要はありません。
1日に3つも4つも会議があれば全てに目をとおす時間を取るのは無理!
ひとつで100頁以上の資料をうけとったことがあります。
3つのポイントに絞り事前資料の負担を軽減する
たとえ事前に読まないといけない資料が多くても、これだけ抑えておけば大丈夫です。
① 会議の目的(メンバーが目指していること)→ 結論がでるよう協力するため
② 自分のゴール (例: 日本だけ特例を認めてもらう)→ 日本組織、自分の組織のため
③ 説得材料
この3つをクリアにしてあれば、あと必要なのは切り込んで発言するための気合と勇気です。
全体での合意事項が自分が行きたい方向と違う方向に進んでいくときは Cut in して発言する。
Let me explain など、礼儀正しい前置きは不要です。
出来るだけはっきりと聴き取りやすい声で 発言を始めます。
だれが話しているのかわからなければ司会者(Chair) が聞いてきますし。
ちなみに私は話し始めるときに
Yuko from Tokyo, we have a conflict with Japanese labor law….
のようにすぐ本題に入って話し始めていました。
世界中をつないでの電話会議では参加者の大多数の母語は英語以外の言葉。
みなそれぞれ英語にハンデをもっています。
リスニングに苦労しているのは私たち日本人だけではありません。
〇〇さんの英語はアクセントがきつい と思われている人がたいていいます。
リスニングは不得意だから電話会議はちょっと。。。と、嘆いて萎縮してしまうより、
前出の3点を事前にクリアにしておきましょう。
① 今回の会議の目的(メンバーが目指していること)
② 自分のゴール (例: 日本だけ特例を認めてもらう)
③ 説得材料
焦点を整理しておけば1日に複数の電話会議が次から次にあっても
精神的なプレッシャーは軽減できます。