この記事は仕事で使う英語力を付けたいと思っているからのためのものです。
目次
多くの人がビジネス英語の上達を願っている
実は最近、FacebookプライベートグループとTwitterの英語アカウントの人たちを対象にアンケートを取りました。
たった3日間ですが、顕著に出た傾向があります。それは
「ビジネス英語の確実な上達方法」を知りたいといことです。それを受けて今回はビジネス英語を確実に上達させるためには、こんな方法がありますよ。ということを書きます。
なおこの記事は、すべての方に当てはまるわけではありません。自分に合った方法で継続することが必須要件です。
またここに書くロジックや方法は必ずしも私のオリジナルではなく、英語の指導をされている諸先生方が著書やインターネット上の記事、そしてお話の中で取上げられていることです。
諸先輩方の数々の知見を私が7年半、個人指導をした生徒さんとの経験を通しての持論を書きます。人数は約70人、企業でのワークショップやオープンセミナーの参加者を除きます。個人指導ですと一定期間の個別指導ですのでお手伝いできる人数は限られます。
英語の4技能には相互関係がある
英語の技能は話す・聞く・読む・書くの4技能があります。たまに「話すだけ上達したい」というご希望をお聞きすることがありますが、「話す」だけ単独で伸ばすことはできません。
なぜなら話すためには文章を組立てる力(文法→構文力)と単語が必要だからです。
そこで最初に4技能の間にどんな相互関係があるのかをまずお話しますね。
まずは「話す」ことについて
英語が話せるようになるのに必要な手順はあります。
その人の今の英語力や耳のいい悪いは多少関係あるけれどおおよその原則と言っていい手順があります。
これを無視するとたくさんの時間を費やしてもちっとも上達しないということになります。
1.文法基礎は絶対に大切
まずは中学生の英文法をきっちり復習しましょう。
英単語を並べるだけの英語で満足という方は別ですが
自分の言いたいことを伝えたい
仕事で説明する機会がある
旅先で現地の人と話してやり取りをしたい
のであれば
英語の文法=語順・構成が分からないと、英単語を並べる以上の英語は聞こえても分からないし、話せないということになります。
逆に主語+述語という順番がわかって発話できるようになるだけで、英語で伝えられるようになることはたくさんあります。
中学英語の基礎を楽しく復習するために私がお勧めする本は
山田暢彦先生の「中学英語をもう一度はじめからひとつひとつわかりやすく」Gakken
です。
特徴は左右見開きで1項目をとりあげ
・左半分で可愛いイラスト付きの解説。
・右半分で基本練習。
・そして1章が終わると復習テスト
という構成でその場で理解度の確認ができます!
2.文法の復習は実際に使う英単語を入れて練習
文法を学び始めたら自分が言いたいことを言う練習です。
と、なると 自分が英語にしたい単語が必要になってきますね。
それをひとつひとつ辞書で探します。
人気の単語集を買って自分で使わない単語を覚えても使わなければ忘れてしまいます。
なんとモッタイナイ!だからこそ「自分単語帳」を小さいノートまたはエクセルシートで作ってみてください。
趣味や日常生活の単語から始めてもいいですし英語を仕事に使いたいのであれば仕事に必要な単語を集めるのが記憶に残りやすく話せるようになる近道です
そのとき、くれぐれも意味だけ覚えるのはやめましょう。それはやってもやっても英語を話せるようにならなかった受験勉強の手順と同じです。
多くの人が経験したことでしょう。
赤いセルロイドを単語帳のページに乗せて意味を確認したあれですよ。
もちろん受験勉強は文法の基礎固めとして有効ですが、話せるようにならなかったでしょう?
私もそうでした。
ではどうしたらいいかというと単語を調べるときは以下も一緒に調べます
①アクセントの位置
②発音
そして①②がそろったら発話練習をします。
なぜアクセントの位置→ 発音→ 発話練習
が大切かというと、この3つができないと英語を話す相手が言っている単語が
聞き取れないし、こちらの言っている英語を相手に聞き取ってもらえないからです。
単語の意味だけ調べてわかっても
ぜったいに!
話せるようになりません
文法の理解が進むにつれて、学んだ構文や表現に自分の知っている単語を入れて
シンプルな文章を口に出し絵練習します。
例えば;
I went to the hospital.
病院に行きました
I had a PCR test.
PCR検査を受けました
It was negative.
それは陰性でした
ね?
充分通じます。英語を話す第一歩はここから始まります。
更にこの文章を作って発話する段階で発音の矯正を受けることをお勧めします。
日本語のままの胸式の発声法では英語を話すには声量が足りず、せっかく英語を話しても相手に聴き取ってもらえません。
電車の中で英語人の人が話していると、とても目立ちますよね?あれは声が通るからなのです。
日本語の発声法は喉で息の量を調整しています。単語一つ一つを区切って発生します。
一方で英語は喉の緊張を開放して、腹筋で息の量を調整します。温泉に浸かった瞬間のくつろいでお腹の底からでる
「あ”~っ」
と言う声。英語はあの声で話します。
さらに単語と単語は音がつながったり、弱くなったり、消えたりと変化します。
日本語でもありますよね。
「私、夕飯はもう食べてしまったの」というところを通常は
「私、夕飯はもう食べちゃったの」と話します。
大雑把なたとえですが、そんな感じです。
英文を読み慣れる
文法の理解を深めながら使ってみたい単語をあてはめて発話練習を始めたら
次にやることは「文章を読み慣れる」ことです。
日本で普通に生活をしていると外資系企業にお勤めでもない限り、英語の文章をしげしげと読むことはありません。
でも実は「英文を読み慣れる」のはこの段階だと2つの効果が期待できます。
ひとつめは「英語を英語の語順のまま理解する」ことができるようになる。
つまり受験勉強で多くの人が経験したように英文を後ろから訳していくという
方法をやめるということです。
英語の学習を始めて文法も単語もわかるのに英語を聞くと分からないという人の中には
聞き取った文章をいちいち日本語に訳す習慣のある人が少なくありません。
この聞き取り方の何がまずいかというと短いやり取りならそのばで日本語で訳しても会話がゆっくりになるだけですが
例えば仕事の場面だと話について行けず、話しから脱落してしまいます。
「頭の中に情報が残る」ようにする練習はスラッシュリーディングといいます。
練習のために使う文章は
① 趣味に関するもの
② すでに知っているお話本
などをお勧めします。
趣味に関係のあるものは背景情報がすでにあるので、ところどころしかわからなくても、少しわかるだけで楽しいし、知らない単語の意味を想像できます。
一文ずつゆっくり読みながら、でも決して後戻りせず、意味を取っていきます。
ヒアリング練習を始める
ここまでで英語の文章の構造がわかって(文法)、
必要な単語の意味とアクセント発音ができるようになって、
文章の意味が英語の語順のまま頭に入ってくるようになったら
ヒアリングの練習をぼちぼち始めましょう。
もしもこの段階で英文が聴き取れないとしたらそれは発声・発音・英語のトーンが自分の発話でできていないからです。
「発話できないものは聴き取れない」という大原則があって、ヒアリングの精度を上げるにはよいテキストを選んでコツコツと自主トレするとともに
発音の指導ができるひとから定期的にフィードバックしてもらうことを強くお勧めします。
発音は自分ではできているつもりでも、他人が聴くとまったくのカタカナ英語であることがあります。
- オススメ 発音改善用テキスト2選
>1.『英語リスニングのお医者さん』Revised Edition 西蔭浩子
The Japan Times
>2.『英語耳』 松澤喜好 アスキー・メディアハウス
この「ぼちぼち」というのは長文で早口のニュースではなく、手軽に入手できる
ヒアリング学習アプリなどで短い文章から始めるということです。
初めからBBCやCBSニュースの英語版に挑戦すると恐らくついて行けずに、イヤになってしまうことでしょう。
さらにスクリプト付きのものをお勧めします。
というのも、聴いたあとで「ここはなんて言っていたのかな?」と
スクリプトでと確かめることができるのでそうすると自分が聞き取れなかった音がわかるからです。
洋画を観るのはどうなの?
もしあなたが洋画ファンだと、英語を始めたときの目標が
「映画を字幕なしで観られるようになりたい」
だったかもしれません。
でも正直なところ私は個人的には映画の会話を英語の学習に使うことをお勧めしていません。
というのも、一つにはこの段階では聞き取るのにあまりにハードルが高いこと。
日常会話では単語の省略が多く、イントネーションで質問なのかそれに対する答えなのかを使い分けていることがあります。
もう一つは映画には感情的なセリフが多く、せっかく聴き取れて、言えるようになったところで
その単語や表現があなたの環境、例えば仕事のやりとりの中で使っていいモノかどうか疑わしいからです。
私自身はPaul MaCartneyの歌で覚えた
Soon, right away!(すぐに、すぐにだ!)
というのを職場で上司に行ってしまった恥ずかしい失敗の経験があります。
幸い正真正銘のイギリス流Gentlemanで、席を立って私のそばへ来て小声で教えてくれました。
「Yuko, それは上司に言ってはいけないよ。なぜかというと軍隊で上官が
下士官に『すぐやれ!』って命令するときに使う言葉だから」
私、そういう上司に恵まれて幸せ者でした。
ですから映画や洋楽で覚えた英語は使う前に辞書で必ず調べましょう。自分の環境で使っていいかどうか。
最後に
本当に駆け足でざっくりと「ビジネス英語が確実に上達する方法」について書きました。
特に「話せるようになること」について。
全ての人に同じように効果が出るわけではありませんが「読む、書く、聞く、話す」の4スキルを、
あるところは順序を踏んで
あるところから並行して
バランスよく一つ一つ積み上げていきますので時間はかかります
近道はありません。
あ、前より出来るようになったと一ランクあがるのに毎日最低1時間以上集中して3ヶ月くらいが目安です。
他人にやってもらっても自分ができるようにはなりません。
そのへんはダイエットみたいですね。
だからモチベーションを失わず継続することが一番大切なことなのです。
そのためには目標を小分けにして、練習して
出来るようになったことを褒めてくれて、次の小目標を設定してくれる
そういうプロの力を借りたほうがいいです。
もちろん自力で仕事で使うレベルの英語を身に付けられる人もいます。
でもそれは少数派です。
私もその一人です。が!
不自由なく仕事で使えるようになるまで約15年くらいかかりました。
プレゼンも含めてですが、私のパーソナルトレーナーという仕事の宣伝をしているわけではなく、本当にそうなんです。
時間を無駄にせず最短で上達するには、確実に使えるようにするには
自分に合ったコーチやトレーナーに付くことをお勧めします。
さらに、意外なようですがコーチやトレーナーとの相性も大切です。
長い記事になりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。
あなたが、鉄のような強い意志を持ってコツコツと続ける、または
相性の良いトレーナーに時間とお金を投下して短期間がんばる
どちらを選ぶにしても
努力が実を結びますように。