管理職のビジネス英語の専門家  医療用医薬品業界が得意です (月曜休)

英語と同じく大切な業界知識

この記事では転職した人が、業界知識がないためにうっかりやってしまうかもしれない失敗について自分の実話を引き合いに書きました。

バイリンガルセクレタリーが必要なのは英語だけじゃない

今から30年近くも昔の話です。

当時の私は
新卒 → 英語の職場に転職 → 英語の4 Skillsが身に付いて外資系に転職

という状況でした。

外資系の仕事は当初、その後、専門分野となった人事でしたが、体調を崩してしばらくの間、残業の少ないバイリンガルセクレタリーをしていました。

アメリカ系医療機器メーカーのR&Dの研究所の所長秘書の仕事です。



誤解のないようにお断りしておきますが、バイリンガルセクレタリーが楽ということはまったくなく、たまたま私が付いたポジションがそれほど負荷がなかったということです。

さらに4Skillsができるとはいっても、決して楽勝ではなく毎日がヒヤヒヤの連続。

ある時期、上司がベルギーが本拠地のPhD.(博士)の方だったことがあり、
来日は2か月に2週間くらい。

それ以外の期間は毎日(毎日です!)私が電話で日本の状況を報告するという仕事をしていました。

日本時間の午後1時。ベルギー時間午前5時に博士は自宅から東京のオフィスに電話をします。

“Kono-san, how are you doing?”

その質問に私はまだまだ拙い英語で手短に進行中のことがらについて要約して説明をします。

そういえば地下鉄サリン事件が起きたのもちょうどこの時期でした。

”Kono-san, what’s going on in Tokyo? I’ve been watching the TV news!”

私自身、日本語でもこの事件の全体像がまだ分かりませんでしたが、とりあえず職場の全員が無事です!

ということを伝えました。実際、職場の最寄り駅では負傷者が出ていました。

日本を知らない外国人上司と不勉強なセクレタリー

そんな綱渡りのような毎日が続く中であるときベルギーにいる博士からリクエストが。

「今度日本に行くとき、〇〇大学病院のKOL(Key Opinion Leader)ドクターに会いたいからアポを取ってください」と言うものでした。

「アポを取る」と聞いて私は何も深く考えることなくその大学病院に電話をしてその影響力のあるドクターに電話を繋いでもらいました。

と、ここまで読んだ医薬品業界の方。たぶん頭が真っ白になりますよね。

ドクターは穏やかな方でその場でアポの時間を取ってくださいました。

騒ぎになったのはこの後です。
その大学病院の担当営業者から電話が私あてに電話がありました。

「ドクターに直接、電話したんですか?」
「そうですけど、何か?」

「僕たち、営業を通してくださいよ。ドクターからアポのこと聞きましたよ!」

そう、それ以前は全部管理部門ですが、小売り流通業と英語学校の総務担当とアメリカ系証券会社しかしらなかった私は医療機器メーカーや医薬品メーカーでの

「ドクターとの接触は病院担当者を通すもの」という業界常識を知らなかったのです。

医療機器メーカーではTR(Technical Representative), 医薬品メーカーではMR(Medical Representative)と呼ばれる医療機関の担当営業職は日々、機器や薬、症例、副作用等の勉強をして、訪問することでドクターとの人間関係を築いています。

大変な努力です。

そこに何も知らない本社の研究所長のセクレタリーが直接電話してしまった。
とんでもないチョンボですね。

多分、心優しいドクターは担当TRさんに
「おたくのこういう人からアポのご要望をいただいた」と
お話をされたのでしょう。

その後、ベルギーの博士は来日して担当TRさんと共に無事にドクターと面会することができました。

この失敗。そのあと私が医薬品・医療機器メーカーに20年いることになるのですが、後になって何度も思い出すたびに顔から火が出そうなくらいとんでもない思い出です。

転職したらすぐに現場のキーパーソンから話を聞かせてもらう

その後、海外留学をしたり転職をしたりで数社で人材開発の仕事をすることになります。

若い時のこの失敗のこともあり、入社して初めの3か月のうちに部門のキーパーソンと会うことを必ずするようにしました。

全職種の体系的な教育プランを作ることになるのが予めわかっていた時は事業部長はもちろん、

社長に直談判して全国を回り、3か月で80人の社員と面談をさせていただいたことがあります。

医療機器・医薬品業界の知識はありましたが、同じ業界でも企業文化は異なります。
現場の最前線の社員たちが、どんな環境でどんな思いで仕事をしているのか肌で知っていることは人事の仕事をする上では大切なことだと思います。

どこの会社も同じではありませんから、社員に対する想像力だけで仕事をしていて

人事=ひとごと

になってしまうのは避けたいですね。


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