元祖「仕事の英語パーソナルトレーナーの河野木綿子です(Since 2014~)
この記事は気づかないうちに上司に失礼な英語を使っていないか心配なかた向けのものです。
上司には言わない「サポートありがとう」
3年前のことですが大手外資系IT企業でワークショップをしたことがあります。
異文化間コミュニケーションについてのものでした。
事前に取材にうかがって話を聞かせてもらうと
役員層と管理職層の間でやり取りが滞る。その結果仕事が進まない。
管理職は「役員が動いてくれない」と怒っていて、役員は「管理職が何をして欲しいのかわからない」と
お互いにモヤモヤしていました。
すれ違いの原因は「説明を尽くせば相手が動いてくれるのが当たり前の日本人的な企業文化」と
「これをいつまでにこんなふうにしてください」とハッキリ言われない限りお願されたとは思わない英語系文化の深い溝。
(*一部、アジアにはハッキリ言わなくても察する文化の人たちもいます)
グローバルスタンダードで仕事をする管理職であれば「何をして欲しいか」というメッセージのあるコミュニケーションスタイルをとりたいものです。
その取材中に聞いたエピソードがあります。
役員が苦笑いしながら二つの話しをてくれました。
一つ目は、役員が打ち合わせから帰ってきて自分のデスクの上のイントレイに書類を見つけた。
しかもその書類の上に3M社のあのポストイットが貼ってあった。
“ASAP” ➡ As soon as possible の略 @@)”y
言わない、言わない。
上司に「すぐやれ、今やれ、早くやれ」なんて。
そしてもう一つ。
これはやり取りをした当事者間しか知らないことなので表沙汰になることはありません。
あるとき、役員が自分の部下のメールに返信してアドバイスをしてあげた。
そしたら返信の最後に
Thank you for your support. (サポートありがとうございます)
言わない、言わない、役員にアドバイスをもらって「サポートありがとう」なんて。
日本語にもある間違い「参考になりました」
3年も経ってたまにその外国人役員の苦笑いを思い出していたら、ピンっと頭の中でつながったことがあります。
それは目上の人に何か教えてもらって、または講義を聞いて
「大変参考になりました」
という感想を表す決まり文句。
よく聞く一言ですが、目上の方に何か教わったら「勉強になりました」が正しい。
「参考になりました」は元々自分で高度な知識を持っていたので「参考程度」なのです。
受け取ったものが貴重で大きければ自分の知識よりレベルが高ければ
「勉強になりました」または「勉強させていただきました」が正しいです。
英語で仕事をしていても敬意を表す表現は大切
英語という言葉に対してストレートでフレンドリーというイメージをお持ちの方も少なくないと思います。
ある場面ではそれは正しくて
知り合ってすぐにファーストネームで呼び合ったり
仕事の会議で自分より格上の方に反対意見、異なる考えを延々戦わせることもあります。
でもそういうときでも相手への敬意を表す
Could you ~? や
Would you ~? 使って頼みごとをしたり
Do you think it is possible to finish this by next Friday?
次の金曜日までにこれを終わらせられると思いますか?
と相手の都合を聞きながら依頼ごとをします。
日本の職場のように
「オマエ、これ、やっといて」のようなことは25年間、英語の職場にいて経験したことはありません。
名前で呼ぶのが常識で、相手の都合も確認しながら仕事を頼みます。
今までのように日本は日本、外国は外国と仕事の場所を分けられた時代はそれぞれの文化によって言葉遣いや敬意の表し方を使い分けていれば問題はなかったのですが
昨今のようにオンラインでの会議や英文メールでのやりとりがコロナ禍で増えて来ると
「ここまでは日本式」と境界線を引くことができません。
ピンチはチャンスといいますが、今こそ違う文化の人たちと英語をやり取りする上でのマナーを学ぶよい機会かと思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。