評価される管理職の英語ビジネスコミュニケーション  製薬業界が得意です (月曜休)

英語で上司に言ってはいけない表現

これは「上司が海外の人になったけれど、今さら英語?少しは分かるけど」と思っている人が、知らず知らずのうちに地雷を踏まないための記事です。

上司が突然外国人になったときの戸惑い

こんにちは。みなさんお元気ですか?
コロナ禍の先行きが見えすモヤモヤした気持の方もいらっしゃるかもしれませんね。

私もオンラインレッスンの時に、おしゃべりで和むことが以前より多くなっている気がします。

職場のメンタルヘルス問題を調べてみるとメンタル不調の原因のナンバー1は職場の人間関係です。多くの方がご存知ではないでしょうか。

それは組織の中に外国人がいるときも同じです。
特に今はオンラインで海外と取引をすることが多いので、人間関係がよいに越したことはない。

ところが相手との関係を左右するのはパソコンのモニターに映せる資料と話し言葉だけです。となると言葉の選び方には細心の注意を払いたいものですね。

そこで今日は海外にいる上司に信頼されてよい人間関係を築くためにやりとりで避けたい表現を取上げます。

多くの人がドラマや映画、コマーシャルで日常的に耳にする外国語。そのなかで文法的には正しいけど、言ったらマズイ表現はとっさの時に使ってしまいがちです。

25年、外資系企業で仕事をする中で、外国人上司に対する日本人の態度がいくつかに分かれることに気づきました。

一つ目のグループは上司はしょせんガイジン。何年かすれば国に帰るのだから適当にあしらう。

英語?ここは日本なんだから、あっちが日本語話せばいいじゃないですか。という人たち。実はこちらが多数派。

この多数派の人たちは外資系に就職したものの元々が好きでも得意でもなく、かといって今さら英語学習もしたくない。がんばったところで自分が英語ができるようになるイメージがわかない。

もうひとつのグループは外国人上司の立場が分かっていて上司の業績達成に協力的な人たち。

英語力は人それぞれでも、自分が出来る範囲で一生懸命コミュニケーションを取る。外国人上司に秘書やビジネスパートナーがいれば、その人との人間関係も良好。

この二つのグループ、どちらが会社から大切にされ、重要な仕事を任されると思いますか?

言うまでもなく後者の協力的な人達です。

せっかく外国人上司の元で仕事をするなら後者のほうが会社での人間関係が良好で、居心地がよく、仕事も楽しくなります。

 

ドラマ、映画やコマーシャルにでてくるあの表現がマズイ!


映画の中でも洋画が好きで、登場人物の英語がいくらか聞き取れるレベルの方。
聞き取れた表現は使ってみたくなるし、映画の中で使っているのだから自分も使っていいはず、と思うのは自然なことです。

私も英語が出来るようになり始めのころは何度もやってしまいました!
上司に対して失礼な表現。あのころに戻って「ごめんなさい!」と謝りたいです。

英語という言葉に対しては「ストレートでフレンドリー」なイメージがあります。でも仕事の場では日本語の敬語にあたる丁寧な言い回しをするのが標準的です。

ここではうっかり上司に使うと失礼なだけでなく、あなたの評価を下げてしまう英語表現を取上げます。

I wanna…(I want to)

「~したい」というときに I want to ~ という表現は便利です。
とはいえ仕事上では使いません。

さらに洋楽の歌詞や、映画の中でのカジュアルなやりとりでよく耳にする
I want to の省略形 I wanna (アイワナ)は絶対避けたほうがいいです。

X I wanna see this movie this weekend.
この映画今週末観たいんだよね。

カジュアルに「~したいんだよね」的なニュアンスがあって、責任ある立場にある人がこれを使うことはないです。

その代わりに

I would like to + 動詞 なら間違いありません。
実際には I’d like to と省略形で話します。同僚とのおしゃべりでもこちらの方がいいです。

◎ I’d like to see this movie this weekend.
この映画、今週末に観たいです。

A.S.A.P

この表現を知っている人は、英語での実務経験がある程度あるかたかと思います。

A.S.A.P =As soon as possible
なるはやで

英語で仕事をしていても日本語の時と同様、「なるやはでお願いします!」ということがあります。

外資系IT最大手の会社の役員のかたに直接聞いた話です。
会議から帰ってきたら自分のデスクの上に契約書が置いてあった。
そこに貼ってあるポストイットにこう書いてあったそうです。

Please sign this A.S.A.P.
なるはやでこれにサインしてください

その役員は苦笑しながらこの話を私にしてくださいました。

では本来ならどう書いたら良かったのかというと

Please sign this at your earliest convenience.
お手すきになり次第、これにサインをお願いします

ポストイットには書ける言葉数が限られるため、これくらいシンプルでいいです。
でも口頭でお願いするなら

I’d appreciate it if you could sign this at your earliest convenience.
お手すきになり次第、これにサインしていただけると助かります。


または
I was wondering if you could sign this at your earliest convenience.
お手すきになり次第、これにサインしていただけますでしょうか?


くらい丁寧に伝えたいものです。このお願いの定型文はたとえ組織のトップの方に使っても決して失礼にならない鉄板の表現です。

Right away

これこそ、たまたま洋楽で聞き覚えて私がまだ20代の時にDirectorに使ってしまった超失礼な表現。

今から30年以上前の固定電話の時代です。Director のJohnが会議中に私が彼にかかって来た電話を取り「折返しこちらからお電話させます」ということになっていました。

Johnが自分のデスクにもどったとき私が彼に掛けた言葉が

Could you call Steve right away?
スティーブに速攻電話してくれます?


すると大柄なJohnがちょこまかと小走りに私の席までやって来て

Yukoさん、その言い方は目上の人に使ってはいけないよ。
と小さな声で教えてくれました。

「どうしてですか?」という私の質問に Johnの答えは

「Right awayっていうのは軍隊で上官が部下たちに

『いまやれ、すぐやれ、早くやれ!』って命令するような言い方だから」

おおおおお、びっくり。

I’m so sorry, John! Thank you for telling me.
ほんとにごめんなさい。教えてくれてありがとう


と許してもらいました。
じつはこのRight awayは私が中学生時代から大好きだったPaul McCartneyの歌の歌詞にでてくる表現でした。

世間一般に広く行き渡っている表現だから問題ないと思ってたのです。でもそのとき初めて使いました。そして使ったのはその時が最後です。

Do you understand?

この表現も一見なんの問題もなさそうです。でも使われる状況は例えばお母さんが子供にお説教をした後で

Do you understand?
わかったわね?


と念押しをするようなニュアンスです。決して仕事で何かを説明した後に
「おわかりいただけましたか?」という使いかたにはならないのです。

ある企業でワークショップをしたときに、この Do you understand? は
仕事には向かないという話をしたところ、参加者からクスクスと笑いが漏れました。

そのわけはというと。
参加者の職場に中国の同僚に対して電話で説明をした後で

Do you understand?

を連呼していた人が居たそうです。
多くの人がそのやりとりを覚えていたということは、やっぱりなんとなく失礼な感じがしたのではないでしょうか。

では代わりにどういえばよかったか?というと

Do you have any questions?
何かご質問はありますか?

Is everything clear?
すべて明確ですか?


こういう表現なら、You を使って相手の理解力を問うようなニュアンスにはなりません。

Me, too!

「私もです!」と同意を表したいときによく使う表現です。もちろんプライベートの時には使ってもよいのですが、仕事中の公な設定の中では、やや子供っぽい表現です。

最近、英語学習系のYouTubeを観ていたらベテランの人気講師の方が、相方さんとの会話の中で

Me, too!
私も
~!

と楽しそうに話されていたので、ちょっとだけびっくりしました。確かにフォーマルな雰囲気ではなかったのですが、仕事中には不向きです。

では代わりにどういうと仕事らしくなるかというと;

So do I.
So did I.
So am I.
So was I.

のように動詞またはbe動詞を時制に合わせて使います。So はここでは「同様に」という意味で使っています。

聞き覚えた表現は仕事に使う前に調べよう

ある程度の英語力、それもリスニング力がついてくると映画をみたり、洋楽を聞いているときに耳で拾える単語や表現が増えてきます。

それが映画のいちシーンだったり、カラオケで唄いたくて練習した洋楽ポップソングだったり。

聞いてわかる、表現が増えるのはそれはそれで喜ばしいことなのではあります。

ただし、仕事で使うには使っていい表現、単語かどうかぜひ確認してみてください。

紙の辞書でもWeb辞書でもカジュアルかフォーマルかがたいてい表示されています。時には「俗」と書いてあってスラングであることも。

さらに例文に目を通せば使っていいかどうか。とくに目上の方、上司や役員に対して失礼にならないか。

あなたの立場が上になれば上になるほど、仕事の責任の重さとともに、それに合わせた品格のある言葉遣いが望ましいです。

ひと手間を惜しまずに、ちょっと時間を取るだけで仕事で使える失礼のない表現を増やすことができます。


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